2012年9月30日日曜日

9/29


今日はお呼ばれして、ある医科大学(写真に載っちゃってるけど)の「口腔外科」出身という皆さんの同窓会のパーティで演奏させていただきました。

つまり歯医者さんのもうちょっと食い込んだ仕事とでもいいますか、いろいろな職業があるもので、まったく違う文化の中に紛れ込んだような気がしました。もちろんみなさん素敵な方々でしたが。


会が始まる前に、ある先生の活動報告のようなものがありました。

それは東日本大震災で亡くなられた、ご遺体の検案という仕事の報告でした。

遺体の損傷が激しかったりすると、最後には「歯」の治療痕などを見て本人確認するしかないのだそうです。そのために、静岡のチームが被災地に入ったのだということです。

先生は、最初は不安で怖かったけれど、自分の仕事は、一刻も早くこの亡くなった方々の身元を割り出して、ご家族のもとに帰すことだと思うことができた、とおっしゃっていました。

専門的な世界だけあって、スライドショーには生々しい遺体の写真もありましたが、その検案をする方々の姿を見て僕はさすがに感動を隠せませんでした。

このような人たちの活躍があって、初めて復興の礎が築かれるのかもしれないと思いました。

僕たちのほうは、いつもステージでにこにこ笑っているだけです。

ですが、そんな大変な仕事をされている皆さんが少しでも楽しんでくださったので、まあ許していただけるのではないでしょうか。


よく、そのようなパーティの余興などを頼まれることがあります。しかし大体そこにいる方々は、別に音楽を聴きに来たわけではないので、周りの人と積もる話がしたかったり、ご飯が食べたかったりして、ぜんぜん聞いてくれないこともしばしばです(でも、必ず横耳では聞いていてくれているのです)。

そんな時、僕は何のためにここにいるのだろう、と悲しくなることがあります。

しかし今日の先生の話を聞いて、では、自分(ミュージシャン)の仕事とは何だろう、とふと考えました。

お客さんに向かいあう時、その周りの状況がどうであろうとも、決して投げ出してはいけない仕事がそこにあるのです。

マイルス・デイビスは、お客さんにやじられて怒っているバンドメンバーに「Play through(演奏し通せ)」と言ったそうです。最後には10分も拍手が続いたとか。

ほんとかどうかは知りません。


演奏が終わって外に出ると、月にきれいな輪がかかっていました。僕は、空の上に流れている時間そのものを生きることはできないけれど、それに深く思いを馳せることができます。


僕たちの「Play through」とは何か。

今日はいつものそんな風な余興演奏よりもずっと、お客さんとつながることができたような気がしました。


今日演奏した曲の中に、「エノケン」が歌った「私の青空(My blue heaven)」という曲がありました。その参考音源を探していたら、とてもいい映像があったので見てみてください。

私の青空 榎本健一
http://www.youtube.com/watch?v=CT0ytkCtLK8


こんな文章が添えてありました。

Some Japanese singers sung "My blue heaven". I don't know why but sometimes I cry watching this video. They seem so amusing.

ちょっといいですね。

2012年9月27日木曜日

9/26


今日は、久しぶりに「もでらあと」にて、荒井さんまゆちゃんとのトリオでのライブでした。


ステージというのは不思議なもので、その場所に立つとなぜか毎回同じ気持ちになります。このお店のステージはこんな気持ち、こちらはこんな気持ち、というのが場所によって違うのです。

ある程度、自分の精神と向き合わなければいけない場所だからこそ、そういう風に、急に過去に立ちかえらされたり、ぐっとその場所の持っている雰囲気に縛りつけられたりもするのです。

不思議なことに、好きなお店だからやりやすい、というわけでもなく、逆にお店の雰囲気は自分とは合わないかなあ、というところで妙に気軽ないいステージができたりもします。

もでらあとは、大好きなお店ですが、ステージとしては、いつも自分に新しい課題を投げかけてくれる、そんな場所です。


それぞれのソロを多めに、いつもとは少し違った静かな雰囲気で、ライブは進んで行きました。

この3人のバンドには中核がありません。もちろんバンド名もないのです。それぞれが別々の場所で演奏の仕事をとってきたりするのですが、そういったお得意先との関係によってリーダーが代わったりもします。

なのでレパートリーも毎回、少し雰囲気を変えます。

今日はまゆちゃんがリーダーでした。まゆちゃんがリーダーの時は、ソロ演奏が多くなります。



最近は大分演奏の中で、少し新しい方向に自分を持っていこうという余裕が出てきました。

しかしその度に自分の未熟さに気付かされます。

というよりそういう事には、とうに気付いているのですが、普段は何とか自分のいいところを見つけて、落ち込まないようにしようというそんな風なことなのです。

まあ、それは音楽に限った事ではありませんが。


これからも自分の内面と向き合いつつ、いい演奏を目指していこうと…、むむ、今日はおかたい文章ですな。

終わって外に出ると、もうだんだんと深い秋です。ふと今まで暑さによって解放できなかった気持ちに気付いたりもします。

2012年9月26日水曜日

9/25

うちの奥さんが急に夜中に起き出して、気分が悪く吐きそうにしていたので、僕も目を覚ましました。

お水と、もし吐きそうならここに吐きなさいと言って、洗面器を持ってきてやりました。それは使わずにすみましたが。

「大丈夫か?どんな感じ?」と聞くと、しばらく黙って横になっていましたが、急に思い立ったようにその気分が悪かったことの説明を始めました。

「土になってたの。」

「え?気分悪いんだろ、どう、良くなったの?」

「だから土になって分解してたの。」

「何それ?精神的な話?」

「そうじゃなくて、だから、この布団も土もおんなじでしょ。それを分解してたんだって。」

気分が悪いことに関して心配して症状を聞いているのですが、はっきりと起きて、きっちり目を開けてこっちを見ながら、何だかどうもあまりにも「詩」のようなことを言うので、面白くなって昨日の夜中にうちの奥さんの言葉をメモしたものを、ここに書くものです。


 夜中に吐き気がした理由
  
 
 自分は空のわたり鳥や 

 土になって

 汚いものや 大切なものを

 ごちゃまぜにして分解していた

 目の前にあるものを あらゆるものを

 自分の体を通すことが私の目的だった

 だから吐き気がしても 私は進まなければ

 いけなかった

 なぜ吐き気がしたかというと

 土には思い出があったから

 それは死んだ人の思い出だった

 私によって分解されようとしていたけど

 私はそれを受け入れがたく思って

 いつかはそれを体に通さなくちゃいけない

 思い出は他のものや 土といっしょになる



というわけで彼女は気持ち悪くなっていたのだそうです。
「土には思い出があったから」というところが、まるで寺山修司ですね。

朝になって聞いてみると、やっぱり寝ぼけていたそうです。何で洗面器が置いてあるの?と言っていました。

旦那が旦那なら妻も妻です。

2012年9月25日火曜日

9/24

夜の帰り道。

向かいから不思議な車がやってきたと思ったら、まったく同じ車種のバイクが2台並んで走っていたのでした。

暗闇の向こうにある、本当の姿はなかなか見えないものです。


今日は「マキタさんとミッちゃんトコ」に久しぶりにお客さんとして行って、会津里花さん率いるバンド「白花」と、リカさんと、オカリナ吹き長谷川さんのデュオのライブを見てきました。

今度、長谷川さん、リカさんと僕の3人でライブをすることになったのです。

オカリナ、一五一会(BIGINが開発した4絃楽器)と、ギターのトリオです。


一番年少の僕が言うのもなんですが、とてもいい縁によって出会った3人だと思います。ミュージシャンにとってだけの話ではないですが、自然な流れによって生まれた縁はとても素敵な力を生むような気がします。


バンドの中でのアンサンブルにしても、どんな仲間と、どういう場所でそれをやるかにしても、自分がその関係の中でどういう音を出し、どう立ち振る舞うべきなのか、常に考え続けなくてはなりません。

自分が、発生させた一粒の音からすべての関係が始まって、それが複雑に折り重なっていきます。

僕も時には、理想や、あざとい気持ちが先行し過ぎて、本来自分が出すべきではない音を出したり、いるべきかどうかわからない場所に無理に出向いたりして、関係がうまくいかず、少し落ち込んだりすることもあります。

大きな目で見ればそれも勉強なのですが、だからこそ、その自分の音について、真剣に問いただしていかなくてはいけないのだと思います。


高台から見える高速道路のパーキングにたくさんの車が停まっていました。

いろいろな縁をもって、どこからか来てどこかへ行くのでしょう。

自分のバイクもそのたくさんの明かりの中の、小さな一粒なのだと思いました。



以下はつまらない話。

マキタさんトコにはインテリアとして小さなTVがあって、最近は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がかかっています。

その映画の中で、ギタリストにしかわからないちょっとした間違いを発見しました。

主人公マーフィが、ドク博士の家で、発明品の巨大なアンプに自分のギターをつないで音を鳴らした瞬間、その恐ろしい音圧にブッ飛ばされてしまうシーンがありますが、アンプのスイッチを入れて、全部ボリュームをあげてから、シールド(エレキギターのコード)をアンプ→ギターの順に挿したのです。

実はそれをやると、漏電して、ものすごいノイズが走るので、本当はギターを弾く前にブッ飛ばされてしまいます。

正しくはギター→アンプの順にコードをつないでからボリュームを上げるのです。

映画の面白さとは何の関係もない、くすくすっと笑ってしまうようなどうでもいい話です。

2012年9月23日日曜日

9/23


僕がいつか楽器を作ろうと思ってとっておいたひょうたんが、うちの奥さんによっていつの間にか多肉植物のお家になっていました。

むむ…、上手にできているのでまあ許してやりましょう。


今日は、荒井さん、まゆちゃんと3人での練習でした。

来週水曜のもでらあとに向けて、先日課題曲になったバッハの「私はあなたを呼びます、主イエス・キリストよ」というのを練習しました。

今回はわりとクラシカルなコンサートになりそうです。

来週は、この3人で3つのコンサートがあります。1つは個人的なパーティでの演奏なので告知はしませんが、他2つはぜひぜひ来ていただきたいライブです。


さて明日も仕事。ちょっと朝早いので、早めに寝ようっと。



■9/26(水)
静岡市清水区 『もでらあと』
清水区新緑町 6-28 TEL 054-335-3234
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
20:00~
http://www3.tokai.or.jp/moderate/

■9/30(日)
静岡茶町 『a-cafe(アー・カフェ)』
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
open 18:30  start 19:00
\2500(1ドリンク付)
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0542741430/



今日の1曲。

最近また聴きなおしている、「マリ・ブルース」です。
アリ・ファルカ・トゥーレは何年か前に残念ながら亡くなってしまいました。

このざらざらした「砂」みたいな感じが、どうも心をとらえます。

Ali Farka Touré-Allah Uya
http://www.youtube.com/watch?v=339uFnhymM4

Ali Farka Touré - Yulli, Ketiné, Ai Du
http://www.youtube.com/watch?v=Nbk7mzryoIk&feature=related

2012年9月22日土曜日

9/22

「最強のふたり」という映画を見ました。

詳しいストーリーは書いても伝わらないので省きますが、中途障害の富豪と、そのホームヘルパーの話です。

障害とは何なのか。本当に偏見や差別をなくすということは、そんなに簡単なことではないようです。

優しさや、いたわりだけが平等なのではない。養護や支援という名に隠された隔離や不条理もたくさんあります。または、不理解や差別のあることほど平等なのかもしれない。

言葉の概念や、制度や世情にとらわれて、本当の人間同士の信頼が失われてしまうことこそが、いわゆる障害者と、そうでない人の軋轢を生んでいるのかもしれません。


前に、公園で座っていたら、ホームレスのおじさんに話しかけられて、君は何の仕事をしているんだ、と聞かれたので、福祉とか介護の仕事をしてますと答えると、あのね、介護なんていうのは、金取ってやるもんじゃないの、うちのおばさんなんかな…云々、と説教をされたことがあります。

いろいろ事情はあるんだろうけど、あなたに言われたくないなあと、どこかで思いましたが、確かに間違ったことは言っていないような気がしました。


信頼のない商売としてのやさしさ。

少し過激な意見ですが、「御利用者様」なんていう言葉は、僕には差別用語にしか聞こえません。

9/21

うちの玄関には、パイプのついたチャイムがかかっています。

これが結構きれいな音階になっているので、偶然ですが時々よく知っている歌をうたうのです。

♪真っ赤なお鼻の…とか、
♪Raindrops keep falling on my head…とか、
♪汽笛一声新橋を…とか、
♪仰げば尊し…とか、

なかなかいいレパートリーを持っているので、可愛く思います。


僕は、どうもいろいろなものに人格を感じてしまったりするのですが、今日、うちの植木鉢に植わっていたクヌギの木が、大きくなったので義父の実家の地所である、裏山に引っ越しました。

きっと今頃初めて地面に降りて、虫や、また同じように山で育っている他の木と仲良くやっているだろうかと思うと、妙にさびしくなりました。

恥ずかしいことに、じーんと目頭まで熱くなったりするのです。


それぞれのあるべき姿、というのは簡単に僕たちに測れるものではないと思います。

うちの父親が、何かの動物番組を見て、「人間だけが万物の霊長だなんて、おかしな考えだなあ。」としみじみ言っていたのをふと思い出しました。


明日は久しぶりのオフです。

何をしようかなあ、と考えると、たまっていた仕事がたくさん発見されて、やっぱり忙しく動くことになりそうです。

どんな時でも、どっしりとかまえていたクヌギの木のほうが、何だかよほどえらいような気がします。

2012年9月20日木曜日

9/20

新しい仕事を始めました。

突然降って湧いたような話で、とある福祉事業所から、朝のヘルパー2、3件と、福祉機器のモニタリングの仕事をしてほしいと頼まれたのです。

今日はその初出勤で、見習いとして、先輩について仕事の経路を回ってきました。まあよくあることですが、概要は分かれど、結局何が自分の仕事で、何が他の人の業務なのかもまだまだ把握できないまま。

福祉関係ゆえいろいろと気も遣うので、何だかものすごく大変なことが待っているんじゃないかと思い、お腹がぎりぎり、となりました。


でも考えてみればこういう感覚も久しぶりだな、と思います。


以前に、就職に迷っていて、ある木製品の工房を見学に行った時、そこの親方に、手を見せろといわれたので、見せると、

「お前は職人の手をしているね。でも金儲けは苦手な手だな。」

と言われました。その人にどのくらい他人のことを見抜く力があったのかよくわかりませんが、こうも言われました。

「とりあえず20代のうちは十分に迷ったりしていいので、三十にして立つっていう言葉だけを覚えときなさい。俺も30歳の時に木工屋になると決めて、この仕事を始めたんだ。だから大丈夫。」

なるほど、と思ったか思わなかったか、自分には妙に力強く響いた言葉でした。

……。

で、僕は来月30歳になるわけですが、相変わらずバタバタとしており、どうも腹が決まりそうにはありません。

……、のところが20代ですね。早かった。

30を目前にして、まわりに一方的に立ち上がらされてしまう、頼りない自分であります。

まあでも少しずつ、「俺ってこうやって暮らしてるんだぜ。」と胸は張れないまでも、説明して恥ずかしくないぐらいにはなってきたかなと、いや、そうならせていただいてるかな、と思ったりするのでした。


四十にして不惑。

そうか、まだ迷うのか。

2012年9月19日水曜日

ライブのお知らせ


今日は雨の中をバイクで走りました。

さわやかで気持ちがよかったのですが、仕事中靴がずっと濡れていました。


最近はいろいろなところでライブが決まりつつあります。

10月には埼玉、浜松、寸又峡温泉、11月には、沖縄、東京、と決まり、12月には、名古屋や大阪にも行くことになるかもしれません。

先日、映像屋の仲間から連絡があり、近いうちに鎌倉近くの葉山で、映像と音楽のライブをやらないかということ。これは予定の調整がうまくいかない可能性もあり、実現するかはわかりませんが、忙しさは忙しさを呼ぶものですね。


9月後半には、3つのライブがあります。


■9/26(水)
静岡市清水区 『もでらあと』
清水区新緑町 6-28 TEL 054-335-3234
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
20:00~
http://www3.tokai.or.jp/moderate/

いつものトリオにて、しかしそれぞれのソロ曲を多めに演奏する予定です。
うまくいけば、新しい曲を披露したい。


■9/27(木)
静岡伝馬町 『ロック喫茶 マキタさんとミッちゃんトコ』
20:00~、21:00~、22:00~、3ステージ
¥1000(飲食別)
http://rock-cafe.biz/

いつも細かく書いていませんが、意外と穴場にて…、みっちり聴くことができます。
最近マキタさんが工夫して音響がどんどん良くなりつつあります。


■9/30(日)
静岡茶町 『a-cafe(アー・カフェ)』
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
open 18:30  start 19:00
\2500(1ドリンク付)
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0542741430/

初めて演奏する場所です。入口にある大きな牛のオブジェが目印(実は作者は知り合いだった)。

雑貨屋も併設されている、非常に雰囲気のいいバーです。演奏はトリオにて、オリジナルが多めになると思います。一来の価値あり。


すべて予約は不要ですが、もし不明な点があれば気軽にご連絡ください。

よろしくお願いします。

2012年9月18日火曜日

9/18

急に沢山の雨が降ったりやんだり、蒸し暑くなったりすずやかになったり、忙しいところです。

今日は、仕事の帰りに大雨の中、車のステレオで久しぶりに、とても好きだったギタリスト、Steve Khanを聴いたらとてもいい気持ちでした。

Steve Khan - Daily Bulls
http://www.youtube.com/watch?v=arMMNZEssrw

上は30年以上前。
一番最近のアルバムもいいです。

Steve Khan- Maria Mulambo
http://www.youtube.com/watch?v=sqKIyIjGrUM&feature=relmfu



この夏は本当に楽しかった。

旅行にも行ったし、静かに物思いにふける時間もありました。

まったく新しい人たちとバーベキューをして、仲良くなることもできた。

気候も体も秋に向けて変わっていこうとしているこの頃です。

2012年9月17日月曜日

9/16、17


親戚うちの法事で、唱歌の伴奏をする。プライベートなのですが、ちょっと面白い写真なので載せてしまいました。

義理の祖母が好きだったという、「青い山脈」「あざみの歌」「みかんの花咲く丘」を弾きました。故人を偲ぶ歌。


その夜は、ライブハウスUHU6周年のパーティ。

ここは僕にとっても、仲間のミュージシャンにとっても大切な場所です。考えてみれば、僕は開店からかかわっていて、平均すると月に一回以上は確実に出演しているので、今までに少なく見積もっても70回以上はこのステージに立っているということになります。


一時期、UHUのステージに上がると、妙に緊張して手が震えてしまい、結局用意して行った曲ができなかったりした事がありました。

ステージに上がって弾き始めた瞬間、「いや…、今日はだめだ。」とかなりはっきりと悟らざるをえなくなり、結果、あきらめて簡単にできる曲を選んだりするのです。まあ、一応なんとかして及第点は出すので、お客さんにはあまりわからなかったかもしれません。

しかし、その悔しさ、情けなさといったらなかった。

自分の一番大切な場所、ホームだと思うからこそ、中途半端なステージはできないという思いが自分にのしかかっていたのでしょう。


そんなこともいつの間にか、船尾の飛沫のように失せ、遠い気持ちに感じます。

ひとつのステージに対する思いも、少しずつ変わっていくものです。

自分中心の書き方で申し訳ないですが、たくさんのお客さんや、音楽を通じた仲間に支えられてきたな、と思うほかありません。

今はひそかに、自分の気持ちを以前よりは強くすることができたことに安心しています。あ、「ひそかに」じゃないや、書いてしまった。

これも、UHUのおかげといえるかもしれません。

2012年9月16日日曜日

9/15


酒蔵コンサート第2弾。今回は、静岡市は手越にあります「君盃酒造」さんで行われました。

君盃さんは、江戸時代から続いている老舗、といっても親子2代のご家族だけで経営している、とてもあたたかな酒蔵さんです。

麹を発酵させるタンクが並んでいる空間を会場にし、前半は僕のソロ、後半は荒井さんとまゆちゃんとのトリオで演奏しました。

このタンクが以外にも、音を反響させ、きれいに会場に回してくれるすぐれものだったのです。鉄の板で音を反響させ、残響を得るプレートリバーブというのがありますが、まわりにそれが並んでいるような、不思議な音響空間です。


酒蔵の建物は、今流行りの蔵カフェなどとは違って、人が集まるように設計されているわけではないので、作業場、という感じがどうもコンサートにはそぐわないように思うことがあります。

しかしそこにいいお客さんが集まって、みんなの気持ちが集中してくると、なんとも不思議なことに最適な音楽のための空間のように思えてくるのです。

単なるこぎれいな内装や装飾だけが、音楽のためにいい空間ではないのだなあと教えられました。


今日の3人での演奏は、お互いの音がよく聞こえて、即興性が高まりました。

三者三様のベクトルを持った自分たちが出すべき音はどこにあるのか、最近少しずつその原型が見えてきたような気がしています。

だからこそ、窓を開けて、新しい風を入れていかなくてはなりません。


君盃さんのお庭に、やはり地下水をくみ上げている水道があって、休憩の合間にそこで、顔をばしゃばしゃ洗いました。味も甘くてとてもいい。

この水がいつまでも豊かに続くように祈りました。

2012年9月14日金曜日

9/13

少し前に、沖縄在住の妻の友人が、沖縄市で行われる「ASYLUM」というイベントで、ソロミュージシャンの出演者を募集しているから、よかったら応募してみたら?というので、軽い気持ちで音源審査に応募してみました。

そうしたらなんと通ってしまったので、11月に沖縄に行かなくてはならなくなりました。

何だか素敵な縁や、いい経験につながりそうな気がして、わくわくしています。

いいライブができるよう、一生懸命練習したいと思います。

ASYLUM公式サイト

ちょっとオフを作って、民謡酒場に行ったり、またはもっと生きた音楽の聴けるチャンスがあればいいなあとひそかに思っています。まあそれも縁次第ということで。



さて明日は、UHUにてイベントです。

(なるべく)月一のイベントで、前回に引き続き、楽しい夜にしたいと思いますので、ぜひ遊びに来てください。


■9/14(土)
静岡七間町 LIVEHOUSE UHU
イベント「七間町夜の森」
出演 ザ・シンケン、ZilL、ナカムラタツキ、丸山研二郎
open 18:00 start 19:00
前売 ¥2000 当日\2300

2012年9月13日木曜日

9/12


いつも新しい音を出すときは独特の緊張感があります。

久しぶりに2ステージを演奏した伊太利亭でしたが、そのうち2曲にオカリナ吹き「長谷川孝二」さんが飛び入りで参加してくれました。

もともとはビ・バップのサックス奏者で、なぜかギターも上手なのですが、最近はオカリナを吹いています。

長谷川さんの音は純粋であたたかく、時々鋭い。

オカリナは音があまりに透き通っているので、音に自分の内面のようなものも簡単に表出されてしまう。だから自分や聴き手を煙に巻いてしまうような演奏はなかなかしづらい。

という風に以前、練習の時、長谷川さんは教えてくれました。

そんな言葉通りぐいぐいと迫ってくるような音の響きに、いい意味で、これはいい加減な音は出せないなあと、緊張させられてしまったのでありました。


誤解を恐れずに言えば、自分はまあ、自分の息で発音する楽器に比べれば、ごまかしのきいてしまう楽器を演奏しているのですが、それでも結局のところ、演奏を続けていくと、どこかで自分の内面と対峙せざるを得ない瞬間が必ずあります。

演奏経験のない聴き手であっても、どこかでその心の音みたいなものを、意識するしないにかかわらず感じているのだと思います。

あえてそれを無理やり取り沙汰して、表現しようとしてしまうと、また別の奇妙なものになってしまうのですが、技術だけではないその内面の部分がどれだけ音楽家にとって大切なことなのか、ふと考えさせられました。

またいろいろなことを教えられそうだなと思う、音と音との出会いでした。

2012年9月11日火曜日

9/11


部屋の模様替えをしました。

新しい収納家具を買って、パソコンのデスクも新しくしてちょっと使いやすくなりました。

住むところが人に与える影響というのはかなり大きいらしく、いろいろな研究や、風水などの話にもあるように、時に習慣そのものを変えたりしてしまうので、よく考えなくてはいけないそうです。


どうも最近、目の前に雲母の板でも張ったようになって、ぼーっとすることが多いのです。

夜中に金縛りにあって、解けそうで解けない起きそうで起きられない夢の中にいる時のように、ぐっと力を込めれば、「どこかへ」起きるのではないか、と錯覚することがあります。

まぎれもなく起きているのですが、この現実こそが…、いや、難しい話になるのでやめます。

どこか目に見えないところから始まって、目に見えないところに、何かが流れています。

考えてみると、僕が一人暮らしをしていた前のアパートは、かなりその通過感がよかった気がします。結構健康で、気力が湧きやすかったのです。その流れを分断したり、間違った方向に流れさせてしまうとどうもいけないようです。


今日は、高い雲が急に湧いて、目覚ましいような雷光が見えました。

仕事から帰ってしばらくベランダで眺めましたが、雲に光が反射して、巨大な立体感をもちながらほとばしっていました。

光源は雲の向こう。ちょっと雲の角っこを曲がったところにあるのですが、僕たちにはまるで行くことのできない、宇宙がそこからもう始まっているように思いました。


僕の場合はただの寝不足かなあ。

2012年9月10日月曜日

9/10

もう9月も半ば。

この1週間というか数日のうちに3つの課題をクリアしなくてはなりません。といっても、もちろん楽しみなんですが。

ひとつは、バッハ「私はあなたを呼びます、主イエス・キリストよ」という曲。これは今月、荒井さん、まゆちゃんとのトリオで披露しようという計画。

Bach  - Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ - Horowitz


もうひとつは、「青葉の笛」と「みかんの花咲く丘」と何やら童謡唱歌などなど。ちょっと頼まれごとをしました。

もうひとつ、明後日12日の伊太利亭のライブに素敵なゲストが飛び入りしてくれることになりました。オカリナ吹きの長谷川さん。とても個性的な経歴の持ち主で、本当に澄んだ音で、素敵なオリジナル曲を披露してくれます。

その伴奏を僕がギターでするので、今日は2人で練習してきました。

練習の合間にいろいろ話をすると、音楽に対する考え方がとても近く、素敵なデュオになるのではないかという予感がします。

12日はそんな彩りも加わり楽しいものになりそうです。

ぜひぜひ遊びにいらしてください。あれ、結局宣伝になっちゃった。


■9/12(水)
静岡紺屋町 リアルフードレストラン 伊太利亭
「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~VOL.16」
出演 丸山研二郎 2ステージ
19:30~21:00 ¥2500(食事付)

9/9

図書館に行こうと思って、道を歩いていると、珍しいチンドン屋さんが練り歩いていたので、面白そうだなと思って聴きました。サックスの人が上手でした。

よく見ていると新しいお店の宣伝のようでした。

角を曲がると、とても今時というか、ちょっと話しが合いそうにないなあというお姉さんが楽しそうに喋りながら2人向こうからやってきて、その脇をいろいろなブランド名の書いた袋を10個ぐらい持たされたお兄さんが付いて歩いていました。

うーむどちらにもなりたくない、と思いました。

図書館に行くと、先日職場の旅行に手伝いに来てくれたボランティアの学生さんにばったり会いました。

先日はありがとうとお礼が言えてとてもうれしかった。

図書館を出て信号待ちをしていると、横断歩道の向こう側に、ちょっと知的障がいのあるであろう人が、何だかこちらを見てにこにこ笑っているので、何だろうと思って反対側に渡ると、「こんにちは。」というので、僕もこんにちはと言いました。

しばらくして考えると、そういえば会議で何度か行った施設に通っていた人だった、と思い出しました(そうじゃなかったかもしれないけど、僕はそういう人によく声をかけられる)。

そうかよく覚えていてくれたな、と思って歩いていると、時々ライブに来てくれる知り合いが、前から自転車に乗ってやってきて、音楽活動をがんばるように激励をくれました。


ちょっと歩いただけで、いろんな人がいるものです。

ある時には、僕が偶然どこかのお店で演奏をしていて、偶然誰か知っている人がやってきたりします。

僕もこの街の一員なのだとふと思いました。


図書館でちょっといいCDを借りました。

John Scofield 「A MOMENT`S PEACE」 Simply Put

好きなギタリストは誰ですか、とよく聞かれますが、必ず名前を挙げてしまうギタリスト。
リーダー作は多岐にわたっていて、ジャズ、ロック、ファンク、クラブ、オーケストラ等など、とにかくジャンルに偏見のない人。そのバラード集。ちょっとほろりとさせられます。

もう1本。

Caetano Veloso 「LIVRO」 Onde o Rio e Mais Baiano

カエターノ・ヴェローゾは、伝統を守りながら、常に独自の新しい音楽を追求している数少ないミュージシャンの一人だと思います。


僕は、ミュージシャンでも何でも常に新しい感覚を打ち出している人が好きです。

だからと言って「新しいもの」が好きかというとそうでもなく、どちらかというと伝統的なものや、古臭いものにシンパシーを感じることのほうが多いかもしれません。

大事なのは変わり続けようとすることではなくて、物事に対するナチュラルな反応だと思います。

何かを体験したり、歳をかさねたりすれば、考え方や表現方法は変わっていくことのほうがむしろ自然だと思うのです。

2012年9月8日土曜日

ライブのお知らせ

駐車場に停めておいた車に乗り込んで温度計を見ると、外気温「43℃」となっていました。

ここはインドか。

走り出すと「32℃」に戻りました。きっと温度計くんの体感温度だったのでしょう。日影に入ると気持ちのいい風が吹いたりしますが、まだまだ暑いですね。


9月前半のライブは、伊太利亭企画が2本。UHUにて1本です。

伊太利亭の定例ライブは、今回から、料理付きの企画になり、マスターによる食に関するコラムを挟んだりと、パワーアップします。今回はその1発目として、僕がソロで2ステージやらせていただきます。

また次回からは、素敵なゲストを招いてお送りしたいと思っています。


前回大変好評をいただいた酒蔵コンサートも、第2弾です。今回は静岡は手越にある、君盃酒造さんをお借りして行います。まだご予約を受け付けていますので、ぜひお問い合わせください。

詳細は以下です。



■9/12(水)
静岡紺屋町 リアルフードレストラン 伊太利亭
「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~VOL.16」
出演 丸山研二郎 2ステージ
19:30~21:00 ¥2500(食事付)

http://www.italytei.jp/


■9/14(土)
静岡七間町 LIVEHOUSE UHU
イベント「七間町夜の森」
出演 ザ・シンケン、ZilL、ナカムラタツキ、丸山研二郎
open 18:00 start 19:00
前売 ¥2000 当日\2300

http://livehouse-uhu.com/


■9/15(土)
リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~
酒蔵コンサートVOL.2
会場 「君盃酒造」 静岡市葵区手越302
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
17:30~19:30(開場17:00)
¥3500(伊太利亭のお弁当+1ドリンク付)
20名様限定 要予約 ご予約は伊太利亭まで→TEL 054‐251-045


ぜひぜひご参加ください。

2012年9月6日木曜日

9/6




夾竹桃の花が盛りを過ぎてくると、もう本格的に夏も終わりだという気になります。


自分を慕ってくれる沢山の仲間がいるというのはとても幸せなこと。

職場の仲間たちと、一泊の研修旅行に行きました。

浜松のいくつかの他の福祉施設、作業所を見学し、奥浜名湖のホテルに宿泊。帰りはうなぎパイ工場を見学して、同じく障がいを持った人の作業所である、お好み焼きやさん(めずらしい)に行きました。

ずっと福祉に携わっていると、とんでもなく非常識な事がごく当たり前だったりして、何だか一体どういう人、事が普通なのかわからなくなってきます。

逆に、困ったことに、一般に普通だといわれている人や、事が、何だかわけのわからないものに感じたりして、疑り深くなったりします。

だからこそ、例えば巷に垂れ流されているような、狭い常識にとらわれて偏見に縛られず、自分が深くなっていくような感じがします。またそれすらも小さな自分なのですが。


作業所のトイレにこんなディスプレイがありました。これは会長さんの趣味でしょうか(笑)

平板な革新と、立体的な懐古。

虚偽と実存、偏見と容認、疑うことと信じること。まあ理屈ではなく感覚的なことなのですが、人と本当の意味でつながっていくということは、誰であっても難しいものだと思います。

だからこそ優しく信じたいということもあります。あれ、陳腐な表現だなあ。


夜中には、皆とお酒を飲みながら話をして、それぞれの普段聞けない思いや、新しい姿を垣間見ることができました。

とても素敵な時間を過ごすことができました。

2012年9月4日火曜日

9/4

昨日今日、ライブハウスUHUの仲間と一泊バーベキューに行きましたが、明日から今度は職場の慰安旅行というか研修旅行というかそんなところで、また一泊で浜松に行きます。

ほとんど仕事なので、ちょっとこれは疲れそうな予感がします。

そんなことも楽しみの一つでしょう。


山梨の温泉地には南アルプスに登山にいくであろう人たちがたくさん来ていました。最近ちょっと登山というものに興味が出てきました。まったく経験はないのですが。

車で橋を渡るとき見えた、碧くて大きな岩の沢と、霧がかった山が本当にきれいでした。

どこでもいいので、そんな景色の一部にちょっとだけまぜてもらえたらなあとよく思います。


そうだ。

これを書いている僕の頭の中に、ある思いが激烈によみがえってきたのであります。僕はバードウォッチャーになりたかったのであった。

最近うちの周りで、朝方ものすごくきれいな声で鳴く鳥がいるのですが、どうもあの鳥がどんな姿をしているのか見たくてしょうがないのです。

まだ早い時間なので、目が覚めても起きる気になれず、どうもまたほやほや~っと眠ってしまうのです。


何だか急にやる気がわいたり、ぐったりしたりの差が激しい今日この頃であります。

2012年9月2日日曜日

9/2


今月はなぜかバーベキューが多いのです。

9月。僕は4回もバーベキューをしなくてはならない。

その第1弾。

モンゴル人の友人ミャグさんと、うちの奥さんとその双子の姉と、4人でバーベキューをしました。

昼間は暑かったのですが、日が陰るとひぐらしがカナカナと鳴き出して、何ともすずやかな気持ちになりました。

「幸せとはこういうことだねー。」とミャグさんが言いました。うん、まさにその通りだと僕も思いました。

傍では、鮎の友釣りをする釣り人たちが、日がながんばっていましたが、なかなか釣果が上がらないようで、釣れましたかと声をかけると、「いやあ、いつも来ているだけぇが、ぜんぜんだめだねえ。」と、それでも楽しそうに笑ってくれました。


明日は、ライブハウスUHUとその周辺の仲間たちと、山梨にバーベキューに行きます。

何だか毎日遊び呆けているように感じるかもしれませんが、あくまで連休に「偶然」そういうスケジュールになってしまっただけなので、ご勘弁を。

2012年9月1日土曜日

8/31

もう8月もおわり…。

先日うちの奥さんが富士山に登ってきましたが、僕は仕事で行けずじまい。

友人のブログなどを見ると、同時期に2人も、登って来たよーというような日記を書いている人がいました。

僕は今年こそ!ともう何年も言い続けているのに、何で行けないのでしょう。そういう運命なのでしょうか。

雑貨屋で買ってきたお香「ナグチャンパ」に火をつけると、何となくふとした旅情を思い出しました。

行くことだけがすべてではなく、思いを馳せるということもそれなりに大事なことなのでしょう。


今日は、ブルームーンとかいう月の日なんだそうであります。

フィリピンの地震の被害が少ないことを祈ります。