2013年6月30日日曜日

6/29 MOHГOЛ 365


義姉が青年海外協力隊の仕事で赴任していたモンゴルから帰国してしばらく経ちます。

市内の「sensenci(センセンチ)」というギャラリーで、その展示報告会兼パーティが行われました。

彼女は、2年という長いようで短い時間の中、美術の教育普及の活動や、余暇の純粋な旅を通じて、沢山の事を感じて来たようです。


その間僕は、13日間モンゴルへと遊びに行きました。

展示された写真を見ていると、そのどこまでも続く地平線が鮮やかに思い出されました。


パーティの中で少しモンゴルに関係づけた演奏をしてほしいと頼まれたので、馬頭琴の曲「草原と馬」をギター曲にアレンジし、旅の思い出を込めた「星」という曲と併せて演奏しました。

久々に歌をうたわず、ギター演奏のみのライブでしたが、何か自分の本分にふと立ち返ったような気がしました。

来ていた小学生ぐらいの子供に「ギターよかったよ。」と褒められました。それはまた何だか純粋な言葉で嬉しい半面、謙虚な気持ちになりました。


義姉の、報告の内容は僕が語るべくもありませんが、自分のモンゴル旅行の日記は2012年8月の記事に4つ収まっています。

よろしければご覧になってください。


モンゴルでは別れ際に「じゃあね。」という事を、「バッカー。」と言うそうです。

別れ際に「バッカー。」と言われると、日本人としてはどうも変な気持ちですね。

2013年6月29日土曜日

6/28 銀の演奏会~おにぎりの話

今月の銀の演奏会には、金沢のミュージシャン「橙(だいだい)」さんがツアーで来てくれました。

段々と回を重ねるごとにいいイベントになっていくように感じています。


今回の出演者は、


■おざわりおさん

まるで子供の言葉のような歌詞が、すごく深い世界を歌っているように思えます。自分が形をなくして、その世界の中に入り込んでみたいものです。

■クロキユウタさん

相変わらずといっては失礼かもしれませんが、ほとばしるような声で素晴らしいステージを披露してくれました。今や、静岡にこの人あり、といっても言いすぎではありません。

■凪さん

とにかく何だかよくは分からないけれど、この人たちのステージを聴くと、必ず涙が出てしまいます。今回は過去最高に泣かされました。

■橙さん

透き通るような気持ちのいい声で、メッセージソングを歌ってくれました。今まであまりツアーには出なかったそうですが、もっともっと沢山の人にその歌を聴かせてほしいと思います。

彼は食やいろいろな活動や、文化に精通していて、本当に話題の尽きない人です。今回はほぼ夜通し彼と話をする機会に恵まれました。仕事や、信仰や生き方の話、もちろん音楽の話も、久々に空が白むまで語り合いました。忘れられない時間になりそうです。



唐突な話ですが、僕は「おにぎり」は手で直接にぎってほしいと思います。

最近は衛生のためや、素手を嫌がる人も多いのでラップなどを巻いてにぎることが多いですね。

でも、手が直接食べ物に触れるという事はとても大切な事だと思います。手には、食べ物に科学的には決して解明されないであろう何かの栄養を与える、目に見えない力が宿っているような気がするのです。

そして、その「栄養」を感じ取れる人が、どんどん少なくなっているような気がします。


同じように、ちょっとだけ雑菌は多いかもしれないけれど、そんな手のぬくもりで作られた、暖かい音楽をなくさないようにしたいと、ふと思ったのでありました。

そのおいしさは多分…、気のせいですかね。

2013年6月26日水曜日

6/26 写真


先日、とあるライブに来て下さったお客さんから、その時の写真を頂きました。とてもうれしい。

何だかニコニコしていますね。


ごく幼いころのものを除いて、僕はほとんど自分の写真を持っていません。僕も含めてうちの一族は、本当に写真を撮る習慣がないのです。

旅行に行く時も、ほとんどカメラは持ったことがないし、記念写真という言葉もずいぶん遠い世界の言葉に聞こえる時があります。

よく何かと集合写真などを撮りたがる人がいますが、実は秘かに、そんな事よりその時間、話をしたり、景色を見ていたりする方が有意義なのになあ、と思ってしまう自分がいます。


でもふと頂いた写真を見ると、その時の気持ちが鮮やかによみがえってきたりする。

そんな事が何だか愛おしい歳になってきたのでしょうか。


このブログの写真は、誰が撮ったのかって?あはは…、僕です。


Bookends Theme Simon&Garfunkel
http://www.youtube.com/watch?v=p9c-4G2SN2U

2013年6月25日火曜日

6/25 ライブのお知らせ


夏至を過ぎて、今度は段々と夜が長くなる方へ向かっていきます。

行ったり来たり。

僕もいろんな所へ行ったり来たりしていますが、それとはどうも違うようです。


今週は2つライブがあります。


■6月27日(木)
静岡伝馬町「マキタさんとミッちゃんトコ」
出演 丸山研二郎
20:00~ 21:00~ 22:00~


■6月28日(金)
静岡七間町「LIVEHOUSE UHU」
七間町夜の森 銀の演奏会
open 18:00  start 19:00
出演 おざわりお、クロキユウタ、凪、橙(from金沢)、丸山研二郎&真田えみ


きっと素敵な夜になると思います。

どうぞ遊びに来て下さい。

6/23 One for all, All for one


東日本大震災のチャリティイベント「One for all, All for one」は、盛況のうちに終了しました。

発起人、シンガーソングライター「ジル」君の恐ろしいパワーによって、素晴らしいミュージシャン達が集まったいいイベントでした。

200人以上の来場者から相当の募金が集まったそうで、まずはイベントの主旨である、震災の復興への一助となるよう祈りたいと思います。


僕は風太さんやバンド「凪」の石田さんと一緒に、音響係で一日中バタバタしました。

皆が持ち寄った機材を組み合わせて、出演者8組全部の音響をすべてリハーサルなしで、大きなトラブルもなく及第点を出せたのは、もう本当にラッキーでした。

それも、ジル君と、ずっと準備を進めてきたスタッフの皆さんの一念というところでしょう。

自分たちのバンド「The Fawn」の演奏は、まあもちろんアラもありましたが、そんな不思議なパワーを借りて、今までになく楽しいものになりました。


イベントで、いろいろなミュージシャンを見ていて、幾度か目頭が熱くなりました。

自分は、沢山の素敵な仲間に囲まれています。

タイトル通り、皆個々に、仲間と自分との関係を意識できれば素晴らしい事だなと思います。

「仁」なくしていい音楽は生まれませんね。


今、翌日にこの記事を書いています。

何となく祭りの後、という気持ちです。

外でカエルたちがコロコロ鳴き始めました。

2013年6月22日土曜日

6/22 雨音のアイデア


村雨、春雨、五月雨、梅雨、夕立、時雨、氷雨、云々。

季節ごとに雨の名前が沢山あります。小糠雨っていうのもありましたね。

久々の晴れ間に、傘を差した富士山が見え、また雨を予感させますが、さっぱりとしたいい天気になりました。


新しいアルバムにしようと思って録りだめておいた音源がそれぞれ完成したので、並べて聴いてみると、何か足りないような、逆に過剰なような、矛盾した気持ちがしました。

3つのテーマを基に作った作品を一つのアルバムに入れるつもりで、あとはミックスだけだと意気込んでいました。

ところが、そんな気持ちがするので、いったん考え直しています。

ふと思い立って、追加の曲を2曲作り始めました。

もともと11曲だったものが13曲になりました。

すると、1つのテーマでまとまった3曲を別にして、2つのテーマの10曲でまとめたほうが内容的に締りがいいような気がしてきました。

うーむ、足りなくて多すぎる気持ちの原因がわかったように思いました。


これはいいぞ、と思うアイデアほど引っ込めたほうがいい場合がある、と誰か有名な映画監督が話していた…、様な気がします。

それはまた今度にとっておくんだそうです。

飲み会の話題みたいなもんですね。


最終的にどんな物が出来上がるかわからないので、制作は面白いと思います。

2013年6月21日金曜日

6/19 ブクブク交換


「ブクブク交換」というものに参加させていただきました。

変わった名前ですね。

ブクブクとは「Book,Book」のことで、参加者がテーマに沿ったお勧めの本を持ち寄って、プレゼンテーションをし、皆で交換する、というイベントです。

どこが発祥だったか忘れましたが、静岡でもそれをやろうという仲間がいて、いくつかの会場で何度か開催をしているということです。

今回は我がホーム「LIVEHOUSE UHU」で開催することになり、テーマを「音楽と文学」としてありました。

そんな雰囲気に合うミニライブを、といって僕が選ばれたというわけです。


何か文学にちなんだ曲を演奏して欲しいというので、「禁じられた遊び」と「星めぐりの歌(宮沢賢治)」「種山ヶ原(同)」を演奏しました。

ただ自分を披露するだけのライブよりも、こういった演奏会は楽しい。


ライブハウスなので、皆、普段は上がらないステージに上がっての本のプレゼンに、緊張している人もいればきっと普段よりも楽しそうな人もいて面白い。

それぞれの生活や、考え方がまるきり好きな本に表れているようで、より親しい人とやったほうが楽しそうだな、と思いました。


以前一人暮らしをしていたころは、TVもパソコンも持っていなくて、夜は読書ぐらいしかすることがなかったので、古本屋で小説や詩集などを買って、いろいろと読みました。

今は、何だか急にやることが沢山になって、また余暇はこうしてパソコンを開いて拙文をひけらかしたりしてしまうので、なかなか本に手が伸びません。

読むぞ読むぞ、と思って枕元に積むだけ積んであったりはするのですが。


今日は読書に合う曲を…。

Duke Ellington & John Coltrane - My Little Brown Book
http://www.youtube.com/watch?v=_J0ZpJMQjDo

Miles Davis - Water Babies
http://www.youtube.com/watch?v=mUNwuhym-7M


コテコテの選曲でした。

マイルス・デイビスの「ウォーター・ベイビーズ」は読書中よく聴いていた思い出もあり、本当に好きな1曲です。

2013年6月18日火曜日

6/17 バンドのリズム、合奏の拍子

街の中が夜霧にけぶって、いつもより静かなように思います。

先日、うちの周りでハクビシンを2匹見ました。

疑り深そうな顔をしていますが、よく見ると愛嬌があります。目が合うとちょろちょろ逃げてしまいました。

なかなか人と理解し合うのは難しいと思います。あ、人じゃないか。


ずいぶん前、自分がリーダーでバンドをやっていた時、なかなかリズムが合わないので、仲間が話し合っていました。

ドラムの音をちゃんと聞いて、ドラムに合わせるべきだとか、リーダーである、まるけんのギターに合わせていこう、とかいろいろな意見が出ました。

僕は、いやいや、誰か一人のリズムに合わせても絶対に合わないから、それぞれが自分の音に責任を持って、補い合っていくのがいいと思う、というような事を言ったのですが、あまり聞いてもらえませんでした。


いくら正確な人でも機械ではないので、必ず何かの拍子に、もたったり走ったりするものです。ちょっと疲れちゃったりして。

その時、周りがその人に頼ってばかりいると、共倒れになってしまう。

特定の個人に合わせるのではなくて、その曲自体のあるべき姿や、バンドのサウンドの向かっていく先を描くことができれば、そこにこそ合わせる対象があるんじゃないかな、と思っていたのですが、いかんせん技術が下手くそなので、実践できません。

頼りないリーダーだったのですね。


リズムという事は、自分と相手の中だけにあるのではなくて、もっと大きな世界に流れている何かから感じてこないといけないのだな、と今でも思うのであります。


今日の1曲。

Bill Frisell ~ Imagine
http://www.youtube.com/watch?v=lKWDC-6doeA

2013年6月15日土曜日

6/15 2つ半ぐらいの話

車で細い路地を走っていると、対向車が2台来たので道を譲ったら、前の車に知り合いが乗っていました。

おっ、と思って次の車を見ると、まったく違う方面の知り合いの車でした。

皆言いますが、静岡は狭いなあ、と思いました。例えばまったく初めての何かの集まりでも、行ってみると必ず1人2人知り合いがいたりします。

ところがこれは間違いで、実は自分の行動範囲が狭い、というほうが有力説らしいですね。他の街に行っても、「○○県は狭いねえ。」などという会話はよく聞くものです。


最近は、じめじめとしています。ところがカエルたちは嬉しそうで、ゲコゲコ鳴いています。

外で、その声を聴くともなく聞いていると、何種類かのカエルが重なって鳴いている事がわかりました。

中に、キュルキュルキュルキュル、というような印象的な声を立てているものがいました。


ふと、子どもの頃、初めて金縛りにあったときのことを思い出しました。


僕は、よく金縛りに遭うのですが、時々でいろいろなパターンがあります。

そのときは、夜中に突然、ぐっと体が動かなくなって、何だろうと思って怖がっていると、しばらくして何か足元の方から、「会話」のようなものが聞こえてきて、だんだんと自分の体の方へ進んできました。

内容はわかりませんでしたが、キュルキュルキュルキュルと甲高く、けたたましく足もとから段々と耳元へやってきて、僕の体の両側を通り抜け、ゆっくり頭の上の方へその「声」は行ってしまいました。

すると、はっと金縛りは解けました。

ものすごい冷や汗で、ああ、これが金縛りというものか、と思ってあたりを見回すと、今度は「鈴」の音のようなものが、チリン、チリンと、ゆっくり部屋の中を飛び回っています。

その音は、ゆっくり部屋の中を旋回して、いつの間にか消えてしまいました。


金縛りは、よく夢の中の出来事だと言いますが、そのとき確かに僕は眼が覚めていました。

子どもの頭というのは、不思議な現象を捉えるのかもしれません。


カエルの声が、どうもその声に似ていたので、ふと思い出した話であります。

両腕を捕まえられて、どこかへ連れて行かれそうになった事もありますが、その話はまた今度。


たまには怖い話もいいかと思いましたので(笑)

2013年6月14日金曜日

6/12 伊太利亭

実は秘かに、この伊太利亭「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~」もVol.25ということで、いつの間にか2周年を迎えていました。

来て下さった皆さま、ありがとうございました。

今回のゲストは、「ノーザン★スター」さん。

彼女とは長い知り合いではあるけれど、一緒にライブを作るのは初めてです。でも予想通り、心地よく、それでいて力強い声で、素敵なライブを披露してくれました。

2曲一緒に演奏しようという話になり、僕のオリジナル曲「春」と、大切な先輩ミュージシャン「練(ねり)」さんの曲「チョコレート」をカバーして演奏しました。

何度かスタジオに入り、練習すると、とてもいいアンサンブルになることが分かりました。

今後も一緒に何か一つの演目を作ることができそうです。


手前みそですが、座ってライブを聴いていると、ふとしみじみと、この企画やっててよかったなあ、と思いました。

来て下さるお客さんがどんな時間を過ごしているかは、実感は出来ないけれど、何かの活力になってくれることを祈りつつ。


次回は、7/10(水)です。

ゲストは、いつもバンド「The FAWN」で一緒の「風太」さん。

伊太利亭のライブも回を重ねるごとに、どんどん気持ちのいい場所になっていきます。

次回をお楽しみに。


あまり関連性はないが、今日の1曲。
Abdullah Ibrahim & Ekaya - The Mountain / Nisa / Mississippi
http://www.youtube.com/watch?v=5P2N8-u3zmA

あ、3曲だった。

2013年6月12日水曜日

6/9 ハッピーダンスプロジェクト


前に少し書きました、SCDP(静岡コミュニティダンスプロジェクト)の公演は、8/31、9/1の2日間に決定しました。

静岡市民文化会館中ホールにて沢山の市民ダンサーが幾つかのチームを組んでそれぞれの演目を披露します。その音楽を担当させていただくことになりました。

演出からの要望により、パーカッションには僕の音楽仲間であるカホン奏者「原口朋丈」さんが選ばれました。


総監修は、お年寄りのダンスワークショップでもご一緒している「アオキ裕キ」さん。

市民ダンサーの顔合わせ初日の今日は、簡単なワークショップとオリエンテーション。アオキさんの導きで、徐々に体をほぐしていき、そこにギターとパーカッションをほぼ即興でからめていきました。

だんだんと皆さんの動きが統一化されていって、僕たちの音も、何か共通した方角に向かって行けたような気持が一瞬しました。


アオキさんは、もともとは舞台やコンサート、CMの振り付けなどを手掛けていた方ですが、現在は路上生活者のパフォーマンス集団を組織したり、世代を問わないワークショップ等を開催したりもしています。

彼はオリエンテーションで、自分は他の人を蹴落として上に上がろうとする人たちのダンスを散々見てきた、それもいいけれど、そうでなくてそこからこぼれた人たちの踊りに今は興味があり、一緒に何かを作っていきたい、というようなことを言っていました。

心に響く言葉でした。

アーティストや芸人というより、何か農夫のような表情を持っている人だなと常々思っています。抽象的ですが、僕はいつも何かを耕しているようなまなざしを持っている人が非常に好きであります。

僕の方は、いつも眠い目こすりこすりです…。

全体の演目の中の挿入曲または効果音を、10シーンほど作ることになりました。また何曲か書きおろしてみようかと思っています。

ダンサーの皆さんとの稽古を楽しみに、作ってみます。

2013年6月8日土曜日

6/7 音縁という言葉は…

最近ちゃんとブログが書けていないような気がする。

事実だけでなくて、もうちょっと詩的なことが書きたいんだけどなあ。もともと「詩」は書けないけど。

何か物事をゆっくり考えている余裕がないのです。うーむ忙しいとはあまり言いたくはないが、実際忙しいらしい。


でも素敵な出来事もあります。

今度、「つばさ静岡」という障がいを持った人の入所施設で、フルートと二胡(珍しい取り合わせですね。)を演奏する方がライブをするというので、伴奏に僕が入ることになりました。

今日その顔合わせをして、少し音を出しました。

僕よりもずっと年輩の方ですが、すっとお互いの音がなじむように感じました。

レパートリーは、歌謡曲やジャズ、ボサノバなどが中心ですが、あらかじめYOUTUBEで僕のオリジナルを聴いてとても気に入ってくださり、それも一緒に演奏することになりそうです。

よく話してみると、かなり共通の知り合いも多く、これはご縁ですね、とお互いいろいろなところで納得をしました。

世代や立場を超えて、音楽は僕たちにとってとてもいい縁を結んでくれます。


ご覧になった方もいるかもしれませんが、先日TVにヴィブラフォン奏者「ゲイリー・バートン」が出ていて、「どんなに辛いことやかなしい事があっても、音楽だけは裏切らない。」と言っていました。

その通りだ、と言いたいところですが、それを人にすんなり伝えられるようになるには、相当な年輪が必要だなと思います。


今日の1曲
Chick Corea & Gary Burton - Armando's Rumba

2013年6月5日水曜日

6/5 初夏の憂い

いつの間にやら、梅雨入りして、アジサイなどが満開になっています。

先日、蛍の川に散歩に行ってみると、もう時機を逸してしまったらしく、少しだけちらほらとさびしそうに光っているばかりでした。


新しい音源の録音の続きにやっと取りかかることができて、9割ぐらいの音が録れました。

実は自分で聴いてもつかみどころのない、不思議な音楽になっています。でも自分らしい面白い音だと思います。

でも何か足りないところがあります。

もう少し考えて、推敲したりして完成させたい…、と思いきや、また後から後からの予定の渦の中にのまれて、次に取りかかれるのはいつになるやら。

2013年6月3日月曜日

6/2 調べを御覧じろ

このところ志ん朝ばかり聴いている。

とにかく古今亭志ん朝が好きで好きでたまらないのです。

とにかく聴くものはずーっと、志ん朝なのです。


芸に必要なすべての瞬間が含まれているような気がする。

違う、という人もいるかもしれないが、日本の話芸の最後の名人であるように思います。

ただ面白い、笑える、という人は他にも沢山いますが。

この間、高速道路を走りながら、志ん朝の「大工調べ」を聴いていたら、棟梁が因業大家に啖呵をきるところのあまりのすごさに涙がでてしまい、その後の与太郎がその啖呵を舌っ足らずにまねするところで、笑いをこらえ切れなくなり、泣くやら笑うやら、わけがわからなくなって嗚咽してしまった。

命にかかわるので高速道路で聴いてはいけない、と思いました。


ところが上には上がいるもので、歴代の名人にはもうとにかく落語そのもの、というようなすごい人たちがいたのです。

やっぱり初代円朝という人を聴いてみたかった。


古今亭志ん朝 大工調べ
http://www.youtube.com/watch?v=92lXQTR_xsA

2013年6月1日土曜日

5/26-28 東京ツアー 2


キャンプの片づけをして温泉に入った後、兄たちと別行動で奥多摩を出発し、カエルたちの鳴き声の響く沢から一路、雑踏の街へ。

ミュージシャン近藤智洋さんとの2マンライブは、僕にとっては初めてのお店、阿佐ヶ谷「Harnnes(ハーネス)」にて。

こぢんまりとした喫茶店のような作りで(オーナーはそう言われたくないらしいですが)、何かまとまりのあるいい雰囲気を醸し出していました。

こちらで近藤さんは月一の企画ライブを行っています。もうひと組に好きなミュージシャンを招いているということで、今回は僕がお誘いをいただきました。

この日のライブは、前々日の「茶々」で感じたような開放感はさすがに薄れていましたが、何かやはり今までとは違う落ち着いた気持ちでできました。


近藤さんは、演目に知り合いのミュージシャンの曲のカバーを1曲差し込むことが多いのですが、何と今回、僕の曲をそのレパートリーの仲間にいれて下さいました。

コードや伴奏もアレンジされていて、彼の色が前面に出ていて素敵な1曲に仕上がっていました。

曲自身もいいシンガーに歌ってもらえて喜んでいることだと思います。


近藤さんが自身のブログに、この日のことを「宝物のような時間」と書いてくれました。

時間は捕えどころがなく、すり抜けて行ってしまうけれど、僕たちミュージシャンはその限られた時間の中で、濃密に何かを放出しなくてはならないものです。

そしてその一瞬に、言葉や五感を超越したところでお互いを理解しあえることを、深く夢見ています。

あるいは無意識のうちに通じ合っているからこそ、そのステージやセッションを楽しみにどこまででも駆けつけたくなるのかもしれません。


北陸、静岡での演奏も含め、ここ2、3週間のステージで何か得難いものを得たような気がしました。

またそれも、カエルたちの合唱している沢の流れや、ライブステージの残光のように、また時がたてばすり抜けて行ってしまうものかもしれません。

5/26-28 東京ツアー 1

久々の東京でのライブ。26日は狛江市「カフェ茶々」にて。

最初の音を弾き始めた瞬間、不思議な感覚にとらわれました。

すっと靄を抜け出したような気持になりました。

いつも演奏の最中に張り付いている膜のようなものがとれて、素直な普段通りの言葉でお客さんに問いかけることができたのです。

これは、場所とお客さんの雰囲気がそうさせたのか、自分の問題であったのか、面白いように自然なライブができました。


狛江市は本当に個性的な人が多い。人が人を呼ぶ、というのでしょうか。茶々には面白い活動をしている人が沢山集まっています。

マスターは穏やかな人で、すっとしていて何だかまるでお坊さんのように見える時があります。

これからもこの場所で演奏していきたいと強く思いました。


オフの日は、兄夫婦とそのお友達と、奥多摩へキャンプに行きました。

谷あいの人のいないところへ着いて、川面に降りるとすっと風が変わります。

沢山のカエルたちが何するともなく夜通し鳴いていました。

普段街にいると、あれをしなくてはいけないといって出来ず、これを忘れてはいけないといっては後に回し、休みたいのに休むと焦燥感にかられてイライライライラします。

ところが、そんな場所ではただ火の世話をしているだけで、有意義です。

ちょっとだけおいしい食べ物があれば他にな~んにも要らないのです。


時々でも、そんな自分へのチューニングが必要ですね。

チューニングばかりでいつになったら演奏するの?と言われそうですが、わざわざ演奏する必要もなさそうです。風が吹くと自然に何か、良い音が鳴るのです。