2014年11月1日土曜日

10/25、26 新世界ワルツ公演

 

すっかり更新が遅くなってしまいました。

路上生活者の身体表現。

新人Hソケリッサ!の「新世界ワルツ」公演が盛況のうちに終了しました。

何人かの方から直接、または間接的に感想を頂きました。

鳥肌が立った、感涙したという方もいれば、芸術性の高いものを観たという方、逆に良かったけどちょっとムズカシかったな~という方もいました。

でも皆さん何かを強く感じて下さったようです。


僕は、原口くんと、音楽と呼べるかどうかわからないものを全力・無心でやった、という感じです。

ソケリッサ!の皆さんと、不思議な空間「アトリエみるめ」は僕たちに、新しく瑞々しい経験を与えてくれました。

それから、お忙しい中マネージメントしてくれたスノドカフェの柚木さん、スタッフの皆さん、公演にお越し下さった皆様、ありがとうございました。

2014年10月20日月曜日

10/19 最後の練習


ソケリッサ!公演に向けての最後の練習。

東京は文京区の体育館にて。

僕たち音楽隊の音の中身も段々とまとまってきて、ダンサーのみなさんとお互い反応しあえるようになってきました。

とにかく凄い公演になりそうです。

ここで一応、内容としては完成を見たわけですが、もう一歩踏み込まないといけない。

形が決まって何度も繰り返すと、どんな強力な流れだったとしても予定調和の含まった流れ作業と化してしまう。

あと一週間、迫っていきます。


ソケリッサ!の皆さんと触れ合っていると、とても朗らかなものを感じます。

もちろん表現に於いてみんなそれぞれの苦労はあるだろうけれど、いわゆる表現者特有の息苦しさはほとんどなく、作品の内容は極めて真面目なものなのに、とても踊るのが楽しそうです。

少なくとも芸術を見る目の暗い自分にはそんな風に感じられます。

だから僕も本当に心からぶつかっていきたいと思います。


今回、ずっと使いどころを悩んでいたこの楽器を、初めて舞台で使うことにしました。

とある筋から借り受けている、アコースティックのシタール・ギター。

コードを掻き鳴らすと、まるで宇宙のような音がします。

このギターを使って、2曲歌を作りました。


公演は来週。

ぜひ、目撃しに来て下さい。


■10月25、26日(土、日)      
新人Hソケリッサ!ダンス公演
「新世界ワルツ」

10月25日(土)19:00 ※交流会あり
10月26日(日)14:00 ※アフタートークあり
開場は開演30分前です。

出演
新人Hソケリッサ!/アオキ裕キ(振り付け)、伊藤春夫、横内真人、小磯松美
音楽/丸山研二郎(ギター、ボーカル、パーカッション、笛)、原口朋丈(和太鼓、三味線、篠笛、能管、パーカッション)

会場:アトリエみるめ
静岡市駿河区寿町12-21
Tel 054-289-1161

チケット
一般:2000円/学生:1000円(学割席)

チケット取り扱い
WEB予約:http://www.sndcafe.net/mailform/
オルタナティブスペース・スノドカフェ 054-346-7669
アオキカク aokikaku@me.com

お問い合わせ
054-346-7669(スノドカフェ)

2014年10月18日土曜日

10/13 まあるいち~100人の母たち写真展


福井県で一泊し、翌日は直接、静岡は美和のほうにある鈴木邸という旧家で行われている「まあるいち」というイベントへ。

台風がもうすぐ来るというのでイベントの開催・終了を前倒しにしたために、僕のライブも一時間早まりました。

段々と雨風が強まってきて、お客さんが来るのかどうか心配でしたが、会場に到着するとそんな心配をよそに元気な子供たちがばたばたと走り回っていました。

時間前倒しという事情もあって、到着したときには外の飲食ブースなどはもうほとんど片付けてしまっていたので、全体がどんな感じだったかわかりませんでしたが、話を聴いているととてもいいイベントだったようです。

「100人の母たち」という写真展を観て、いろいろなことを考えさせられました。

世の中には沢山の考え方があります。

原発があろうとなかろうと、軍隊があろうとなかろうと、すべての国の子供たちとお母さんが幸せに生きられる世の中であってほしいと思います。

ツアー最後の締めくくりがそのような場所でのライブでほっと一安心しました。


まあるいちスタッフの皆さん、お疲れさまでした。

2014年10月14日火曜日

10/9-10/12 大阪~北陸ツアー その2


さて次なるは、個人的にいつか恩返しをしたいと思っていた場所。

金沢市郊外にある喫茶店「珈琲のばん」です。

前にも一度ミニライブをさせてもらったことがありましたが、今回は自慢の仲間である「NolenNiu-de-Ossi(ノレンニゥー・デ・オッシ)」を連れて行くことができました。

白山でレコーディングをしていた時、知り合いに教えてもらい、マスターの人柄にほれて、いろいろとその疲れや愚痴を落としに寄せてもらっていました。

その御恩は、別にばんのマスターが売ったわけではなく、僕が勝手に買って大切にしまってあるものです。

石川県に行くと今でも必ず寄ってしまうところ。

ライブは完全生音で、レンガ造りの雰囲気にぴったりと合いました。

マスターは、もっと聴いていたかったと言ってくれた。

僕の拙い演奏に対するお世辞かもしれないけれど、ひとつこの北陸にご縁ができてからの目標を果たせたような気がして、充実した気持ちになりました。


写真のふたり。

何だか、時間を飛び越えたような感じだ。

やっさんのメガネ以外は…。


ツアー最終日。

鯖江市の「Rag Time」。

前回は、この場所から始まったツアー。今回はぐるっと回ってこの場所に帰ってくることができました。

ライブ前に、鯖江の街を散策する。

本当に静かで穏やかな街です。

しかし、このバーに集まってくる人たちは、何故か皆一様に人懐っこくてとても優しい。

もちろんそれは、静かだけどあたたかいラグタイム・マスターの人柄によるものだと、触れ合っていて思いました。

僕はツアー最終日であることも相まって、喜びで一杯になりました。

デ・オッシのふたりもどうやらそうだったようで、この鯖江でのライブが僕が今まで観たふたりのライブの中で一番だった…、というのは悔しいのでふたりには言わなかった。


はてさて、ツアーミュージックとは何だろうと常々思っていた疑問はもちろん解けません。

遠くからやってきたという音楽家を待っているお客さんは、そのミュージシャンに何を求めているだろう。

僕は、普段はあまり遠出はせず、地元でいろいろな形を周りから求められて演奏をすることが多いです。

それこそ、来週はコンテンポラリー・ダンスの音楽をやるのだし、その次はエレキギターを持って友人のサポートに入ります。

あちらこちらへ行ったり来たりするうちに、僕は自分のステージを何年も掛けた長い絵巻物のように考えるようになっていました。

その中には、エネルギーの強い場所もあれば、弱い場所もあり、退屈な場所もあれば、ひと段落する場所もあります。

その時々のいろいろな気持ちをお客さんに感じとってもらうことは、とても大事だろうと考えていました。

でも、一期一会のツアーミュージシャンは、その場その場で確実にその演奏に決着をつけていかなくてはならない。

今日はこんな感じだったから、来週また違うのを…、というわけにいかないのです。

今回のツアーは、あえて、僕はいつもこれです!というような演奏を心がけるようにしました。至極あたりまえのようですが、それが少し功を奏したような気がします。

ところが、中にはいわゆるそういった一期一会の手法ばかりを身につけて、奥深さのないミュージシャンもいます。

なかなか難しいバランスだと思います。


いつも、ツアーに出るといろいろなことを学びます。

それも、忙しい中駆けつけてくれるお客さんや、素敵な場所を支えている皆さんがあってこそ。

ありがとうございました。


絵の上手なお客さんが葉書に描いてきてくれた一枚。

これは嬉しい!

いつの間にかデ・オッシとはかけがえのない仲間になった。

この絵を見ているとそんな風に改めて思います。


デ・オッシの新曲。いい曲です。PVは最後の方ちょっとクサいな…(笑)

輪廻の郷 NolenNiu-de-Ossi

10/9-10/12 大阪~北陸ツアー その1


ツアーミュージシャンって何だろう。

ひと口にそう言っても、本当に多様な世界。

そんな素朴な疑問の答えをいつも「NolenNiu-de-Ossi(ノレンニゥー・デ・オッシ)」のふたりは教えてくれるような気がします。

楽しみにしていたデ・オッシとの大阪~北陸ツアー。

今回は彼らのホームグラウンド、大阪は「雲州堂」というライブハウスからのスタートでありました。


雲州堂は、とてもミュージシャンを大切にしてくれている場所だと思います。

やはり逆に出演者もその場所を大切にしたいと思う。

僕は、全く違うご縁で何年か前にも一度出演させてもらったことがありますが、その時の共演者もとても真摯にライブをしている感じで、今だに強く印象に残っています。

壁に常連の出演者のCDがかかっており、一枚一枚試聴できるようになっていました。

ライブハウスでは、なかなかできそうでできないサービス。

とても心があたたまります。


久しぶりに見たデ・オッシのステージは、新曲も増え、パワーアップしていました。

ふたりは楽器や歌に関して、デ・オッシ自体とは違う活動を常に持っていて、日々ギターや三味線や、アコーディオンについて研鑽を積んでいる。

しばらくぶりに聴くと、そんな日々の努力がデ・オッシの音楽に知らないうちに新しい要素を加えているようでした。

もちろんそれは僕もそう。

自分のステージも、お客さんの日常の中のある一夜を素敵なものにできたような気がする、幸先のいい演奏だったと思います。


大阪でのライブを終え翌日、一路石川県は白山市へ。

静岡にUHUというライブハウスがあって、そこに大切な仲間がいるのと同じように、白山市には「溜まりバー・夕焼け」があります。

僕の人生の結構大事な1ページがこの場所にあると言っても言い過ぎではない、そんな場所。

今回は、それを大切にかみしめるように演奏ができました。


そんなご縁の一人である、デザイナー「Nobu」さんが白山市の古い住宅街の中にギャラリーを作ったというので行ってみました。

カーナビにも登録されていないその場所は、町名の後に「知」とか「利」「以」などという、多分昔の区画の通称かなにかであろう不思議な地名でした。

ノブさんのところは「利」だそうです。

デ・オッシのやっさんは「ダンジョンや。ダンジョンや!」と言ってしきりに興奮していましたが、神社があって、鎮守の森があって…、昔ながらの日本がそこにはありました。



ギャラリーは、古い蔵を改造した清楚なたたずまいで、それ自体は全国的に最近増えて来た手法であるけれど、ノブさんのやさしげな人柄がそこにあることで、とても気持ちがいい場所になっていました。

ギャラリーとライブハウスも、きっといい場所であるための共通項がいっぱいあるでしょう。

素敵な作家さんの個展が沢山開かれますように。


つづく

2014年10月7日火曜日

10/7 台風間ツアー

台風一過、とはいっても静岡市の土地の低いところや、清水の方は冠水などの水害がずいぶんひどかったそうです。

暴風雨の朝、僕は、台風が行ったら珈琲を飲みながらケーキでも食べに行こうかと妻と話していました。


しばらくすると、お菓子屋さんに勤めている妻の姉から連絡があって、道路が冠水して職場にたどり着けないとのこと。

休みなさい休みなさい。こんな日にお菓子なんか買いに来るやつはろくなやつじゃない、と一瞬思って、あれ、さっきまで僕たち何言ってたんだっけ…、と考え直しました。

人間は勝手なもんだなあと思いました。


僕の職場の車は、ドアのステップまで水が来ていたようですが、街は元に戻りつつあります。

僕も明後日からは久しぶりのツアーに出ます。

すでに恒例になりつつある、奈良の「NolenNiu-de-Ossi(ノレンニゥー・デ・オッシ)」との演奏旅行です。

もう一つ台風が来ているようで、ちょうど帰りはそれにぶつかるかも知れません。

何事もなく帰ってこられるように。

お近くの方はぜひ、遊びに来て下さい。



■10月9日(木)
大阪市北区「雲州堂」

open 18:00 start 19:00
入場無料・投げ銭
演奏を楽しんでもらえたらチップ箱にチップを!
出演/NolenNiu-de-Ossi、丸山研二郎、flamantina

雲州堂
大阪市北区菅原町7-2
06-6361-3903
http://www.iori-unshudo.com/


■10月10日(金)
石川県白山市「溜まりBar夕焼け」

open 19:00 start 19:30
入場料¥2200(1ドリンク付)
出演/RYUJI(70's birds)、NolenNiu-de-Ossi、丸山研二郎

溜まりBar夕焼け
石川県白山市幸明町134
Tel 076-287-5563
http://noppo.cu-tablet.com/public_html/yuyake/yuyake.htm


■10月11日(土)
石川県金沢市「珈琲のばん」

open 19:00 start 20:00
¥1500 飲食別
出演/NolenNiu-de-Ossi、丸山研二郎

珈琲のばん
石川県金沢市三馬2-34坂下ビル
Tel 076-247-2353
http://beansban.web.fc2.com/


■10月12日(日)
福井県鯖江市「Cafe RagTime」

open 19:00 start 19:30
入場料¥2000(1ドリンク付)
出演/NolenNiu-de-Ossi、丸山研二郎

Cafe RagTime
福井県鯖江市長泉寺町1-2-46
http://sabae-ragtime.jimdo.com/



そして、ツアーから帰ってすぐ、静岡の「まあるいち」というイベントで演奏します。

ちょっと天気が心配ですが、これも素敵なイベントになりそうです。



■10月13日(月)       
「まあるいち」
~自然、環境、そして子どもたちの未来のことをゆっくりと思う一日~

2014年10月13日(月・祝)
10:00~17:00 ワークショップ・フード等は16:00まで
入場無料

会場:有形文化財古民家 鈴木邸(静岡市葵区中之郷249)

※「100人の母たち」写真展in静岡の最終日です。
写真展は17:00まで開催しています。

<food>
★案山棒(蕎麦・ごはん)★新屋食堂アヤナイ(ごはん)★Soja(マクロビごはん)★Brown Rice Kitchen(デリ・ごはん)★KISSACO(甘糀ドリンク)★モミの木(マクロビスイーツ・ドリンク)★ Lalala♪Planet(自然農野菜の販売)★まつぼっくり(玄米茶)など

<WORKSHOP・ほか>
★うしおシュタイナーこども園(フェルトクラフト)★Ms flower Partner (フラワークラフト)★mominoki (アロマ)★アイニケ(ジャンベ)★藤本陽子写真事務所(ワンコインフォト)★かごやか(手廻しオルガン)★森とま(積み木1000個)など

<ミニ講演会>
「自然が育む、子どもの心と体」 
 講師 京井麻由(森のようちえん・野外保育園ゆたか)
 時間11:00~12:00 定員20名 参加費500円

<ミニライブ>
「丸山研二郎・ミニライブ」 出演 丸山研二郎
 時間16:00~17:00 定員30名 参加費500円

2014年10月4日土曜日

10/4 蝶のご夫婦


バタンと車に乗ると、いったい何時入り込んだのか、2匹の大きなちょうちょが助手席のシートでお尻とお尻をくっつけてじっとしていました。

真っ最中だったのです。

引き離すのもかわいそうだし、こう、2匹の羽を同時に持って取れないように動かしたらだめかな、などと考えたりして、うーむ、デリケートな瞬間に立ち会ってしまったと思いながら、しかたなく一緒について来てもらうことにしました。

つまり僕は繋がったままのご夫婦と一緒にずーっと車を運転しなくてはなりませんでした。

結局そのご夫婦は、僕が用事を済ます1時間以上の間ぴくりとも動かないのです。


帰り道になって、ひょっとして死んでるのかな、まったく人の車の助手席で幸せな連中だなあ…と思い始めたころ、急にもじもじもじもじと動き始め、駐車場に車を停めた途端に、ついにクライマックスを迎えたらしく、2匹同時に麗しく羽を開いて飛び立ちました。

運転中に飛び立たれると困るので、じっとしてなさいよ!と語りかけていたのが伝わったのでしょうか。


蝶が目覚めたように、羽を広げる瞬間はとても美しかった。

僕はしばし呆然と眺めてしまったが、普段はどこか野の陰で知らないうちに生命を育んでいるわけです。

根源的な瞬間の美しさ。

いわんや我々人間をや、であります。

人間のは別に観察したいとは思いません。皆さんご自由に。

ただし人の車に乗り込まないように。

2014年10月2日木曜日

10/1 あの谷


思うところあって、山にドライブに行きました。

山奥にはまだ細々と蝉が鳴いていた。

今年最後の蝉を聴きに行ったと言ってもいいでしょう。


車で走っている時は無心になれる。


静岡には接阻峡という谷があって、特に珍しい物もないし、雄大な自然が眼前に…、というわけでもないのですが、なぜか僕はその渓谷が好きです。

誰もいない温泉に浸かって、そばを食べて帰ってきた。

僕は、さわやかな渓谷の空気になりたい、という風によく思います。


トロッコ列車の汽笛が山に響いていました。

何とも風情のあるものです。

時にはジーンと涙ぐんでしまう。


あの谷、あの谷。

体そのものはどこにもいられない。

心の奥底ではどこにだっていられるものだろう。

涼しい山の空気にさえなれるような気がするのです。


うーむ、ちびっとカッコつけたかな。

2014年9月29日月曜日

9/29 秋分後ライブ報告


バイクで走っていると、金木犀の香りが本当に気持ちがいい。

そのまま走りながら空気になりたいと思う時があります。


3日間のライブ週間が終わりました。

自分言うのもなんですが、3日ともこまかい演奏の反省点は別として、とても「いい時間」だったと思います。

来て下さったお客さんも、そんな風に感じて下さっていれば嬉しいのですが。


■Peekaboo!ライブ

絵本の店Peekaboo!(ぴいかぁぶう)さんとも段々いいお付き合いになってきました。

絵本の店なのですが、お客さんは何故か年輩の方が多い。

朗読の会や、お芝居などを定期的に行っていて、いろいろな世代の方に開かれている、とても気持ちのいい場所です。

みんなで一緒に歌える曲も混ぜながら、ゆっくりと演奏することが出来ました。

意外なお客さんも来てくれた。ウレシイ。

今回はソロでしたが、次回12/13は、朗読の方と半分ずつライブをしようということになりました。興味のある方は是非!


■UHU「銀の演奏会」

強い音、やさしい音、シンプルな音、複雑な音、いろいろな音が含まれていた今回の銀の演奏会だったように思います。

出演の黒木翔太さん、ノーザンスターさん、バンド「Sofa」さん、ありがとうございました。

それぞれの演奏を聴いていると、みんな何を思って生活をし、日ごろどんな事を考えているのかよくわかります。

前向きな事も、後ろ向きな事も、その全部の生活や日ごろの出来事が、とても尊く思えます。

演奏や歌、バンドの上手い下手はもちろん大切ですが、僕は、その向こう側にあるその人の思いや、心の形をステージに置いていってほしい。

そして出演者もみんなお客さんになって、それを見守り、かみしめたい。

UHUはそんなライブハウスだと思います。

かく言うわたくしの演奏は、ちょっと疲れが出たのか、ミストーンが重なってしまった…。

お客様…、申し訳なし。

しかし2曲披露した最近のノーザンスターとのデュオは、かなりまとまってきて、気持ちが合ってきました。


■カクタスハウス

大学の同級生でもあるベーシスト「Chuji」に誘ってもらって、デュオライブが実現しました。考えてみれば、出会ってから14、5年。2人だけでライブを企画するのは初めてであった。

それぞれのソロと、もう半分は、オリジナル曲とすこしのカバー曲を持ち寄ってデュオで演奏しました。

そして、お客さんの中に結婚したばかりのカップルがいらっしゃったので、お祝いの演奏を1曲。


Chujiは、その性格にいまだにつかみどころがない。

しょうもないことを言ってふざけているかと思うと、急にくそまじめに宗教や面白い思想の話をしたりする。

しかし彼はやはり上手い。それに何だかどうも、すこし以前と変わってきたようなのです。

今回の演奏では、不思議な化学反応が起きました。

帰りに食事をしたラーメン屋でぽろっと言った、「インド行ってこようかな。」

ど、ど、どうした??行って来い、行って来い!


若干、取りとめのない話になりました。

この3日間、久しぶりに来てくれた方や、お付き合いはあるけど初めて聴いてくれた方もいました。

とてもうれしい出会いもあった。

10月は、北陸ツアーや、ダンス公演も待っています。すこし休んで、またぶつかっていきたいと思います。

皆さまありがとうございました。


さてひとつ、この3日間で印象に残った曲。

Chujiのベースソロ。ループやエフェクターを駆使したアバンギャルドな演奏が一体どこへ行くのかと、若干の不安を持って聴いていると、急に宮沢賢治の「星めぐりの歌」が聞こえてきました。

ベースで弾く星めぐりの歌は、どっしりしていて、深い安堵感がやってきました。

なるほど、最後にしてやられた、という感じです。


宮沢賢治 星めぐりの歌
https://www.youtube.com/watch?v=q0gQSKKjh9M

2014年9月24日水曜日

9/23 小川

仕事中に、山の方に用事があって車を走らせていると、土手に彼岸花が沢山咲き乱れているきれいな小川がありました。

車を停めてしばらくぼーっとしていると、遅組のツクツクボーシが、ツクツク言っていました。

子どもの頃の感覚が、何やら心の奥底に戻ってくる。


と、今日はやっとのことでここまで書いて、もう寝ることにします。


パソコンの前に座っていると、ついつい音楽を聴いてしまう。

寝る前の1曲はこれかな。


A Fala Da Paixao - Egberto Gismonti


さて今週はライブ週間です。

ぜひ、足をお運びくださいね!



■9月25日(木)       
静岡大坪町「絵本の店Peekaboo!」
「あきのよながに まるで えほん のような げんそうてきな 歌」

19:30 start ¥1000(お飲み物付き)

出演 丸山研二郎

会場:本の店Peekaboo!
静岡市駿河区大坪町1-28
054-287-5674

お問い合わせ:054-654-5152(焙煎堂)


■9月26日(金)       
静岡七間町「LIVEHOUSE UHU」
銀の演奏会

open 18:00 start 19:00 入場料\2160

出演 黒木翔太/Sofa/ノーザンスター/丸山研二郎

LIVEHOUSE UHU
静岡市葵区七間町9-10 B1
http://livehouse-uhu.com/


■9月28日(日)       
藤枝市高洲「カクタスハウス」
LIVE in カクタスハウス

open 17:30 start 18:30 入場料¥2000

※お食事、お飲み物は各々ご注文ください。
ライブ用の特別メニューをご用意しています。

出演 中司和芳(Chuji)/丸山研二郎

ご予約・お問い合わせ
カクタスハウス
Tel 054-635-6403
http://cactus-house.jp/

2014年9月19日金曜日

9/18 ティナリウェン


Tinariwen(ティナリウェン)というバンドにはまってしまった。

Youtubeのオススメ動画に、不思議な格好をした人たちがエレキギターを持っている映像が上がっていたので何気なくクリックすると、恐ろしいグルーブで魔術のような言語の音楽が流れてきました。

な、な、なんだこれは!僕はたちまち虜になってしまって、早速CDを注文してしまった。


調べてみると、2001年にフランスのプロモーションによりデビュー(?)したサハラ砂漠の遊牧民「トゥアレグ族」という人たちのバンドだと知りました。

彼らの住む地域、マリやアルジェリア、リビアなどでは70年代後半からその活動は有名だったらしく、その音楽は、今は亡きリビアのカダフィが無血革命を指揮したときの兵士ためのアイコンにもなったそうです。

(その後のカダフィの賛否についてはここでは触れないけれど、いろいろな情報を見ていると、身の回りの報道だけを鵜呑みにしてはいけない大きな問題の一つだろうと思わされます。)

その歌詞はとても精神的で、古くはヨーロッパの入植から、独立、貧困、長きにわたる情勢不安と、激動する地域のまさに大きな意味でのブルースでありました。


動画でしかお目にかかれないと思いきや、なんとこのグループ、数年前にFujiRockに来ていたらしい。

なんだか急に話が身近になってきたが。

彼らを世界的に有名にしているのは西欧諸国であり、また彼らの国に大きな問題をもたらしているのも西欧諸国であります。

映像の中の、結成当時からのメンバーであるリーダーの、Ibrahim Ag Alhabibという人のまなざしに吸い込まれそうになる。

そのまなざしの中に、決して単なる娯楽として音楽を捉えているわけではない、力強さと悲哀とを同時に感じるのは僕だけだろうか。


そのプロモーションにおいて、先進国の好奇の目にさらされている感じはどうしても否めないが、皆さんこんなステキな音楽、どんな風にお聴きになりますか?

普通は聴かないか(笑)


ちなみに「風の谷のナウシカ」の中に、伝説の民・青き衣の一族というのがありましたが、それはこの「トゥアレグ族」の衣装がモデルになったそうです。

その服装は高貴で、また怪しくも見え、持っている楽器とのミスマッチも魅力の一つだろうと思います。

Tinariwen - Lulla
https://www.youtube.com/watch?v=oABeNjFWpkc

Tinariwen - Ulla illa
https://www.youtube.com/watch?v=mbb49mUPYyc

2014年9月14日日曜日

9/13 スローライフVol.2


このところノーザンスター・あゆみちゃんと一緒にライブをすることが多い。(ノーザンスターというとバンドみたいですが、1人の名前です。)

静岡は鷹匠にある「PaPa」さんというニョッキ料理のお店で、彼女のイベント「スローライフVol.2」を行いました。

ゆっくりと食事付で15名限定の席は満員御礼。

何だか、みんなあゆみちゃんのことが好きで集まっているような感じで、和気あいあいとしていい会でした。

ノーザンスター作、PaPaさんのための「ニョッキの歌」は必聴!そこはかとないヒットの予感ですが、PaPaさん以外で歌ってくれるかどうか…。

ライブ後半は、写真家イシカワアヤコさんによる映像のプロジェクションをしながらの演奏。

演奏をしている自分たちは客観的には見られないけれど、さわやかな世界が描かれたのではないだろうか、と嬉しい共演です。

皆さまありがとうございました。


PaPaさんのお料理はおいしい。

長く続いているレストランが美味しいのは当たり前ですが、ふとテーブルを見ると、初めて見るアルカリ洗浄水が置いてありました。

聞いてみると、環境にやさしく、お掃除や人間の洗髪や歯磨きなどにも使えて、野菜の農薬や悪い油分も落としてくれるものだそうです。

残留農薬が野菜の酸味を強く感じさせてしまったりして、その味をまずくするらしい。

なるほど~。

でも、きっとそれだけではない細かい気配りを沢山していらっしゃるのだろうと思いました。


僕は、その不思議な洗剤をちょっとだけお裾分け頂きました。

うちのお掃除にも活躍してもらおうと思います。

2014年9月13日土曜日

9/11 雨の鈴木邸にて


「まあるいち」というイベントで演奏を、とお誘いいただいたので打合せに行ってきました。

会場は、静岡は美和の方にある「鈴木邸」という昔の庄屋さんのお宅です。

最近は管理の難しくなった旧家・古民家を外に開放しているところが増えました。そこも今は親戚の方が護っていて、週末だけそういった取り組みをしているそうです。

静岡では、古本市や、朗読などの文化系のイベントでよく噂を聞いていましたが、入ってみるとなるほど、どっしりとした旧家の佇まいの中に、大きな洋間があったりと、小説の中に入り込んだような感じで、話題に上る理由がよく分かりました。


同じく最近巡回している展示で、「100人の母たち」という写真展があります。

これは原発事故後の福島から非難した母子のポートレイトを展示しているものです。

その巡回展を「まあるいち」の中でメインイベントとして行なおうというのが今回のテーマです。

広いお庭や林を使っての、自然食や工芸品の出店や、音楽や、体験コーナーもあり、僕はイベントの一番最後に、お屋敷の広間でライブをさせていただくことになりました。

居心地のいい、面白い企画になりそうです。


一応、注釈として…、これは原発の反対運動を行ないましょう!という主旨のイベントではありません。

いろいろな活動に関すること、たべものや文化・自然に関することなどを通して、考えるきっかけを作ってもらいたいな、というものです。

福島の現状については、なかなか報道されないので、ネット上の信憑性がはっきりしない記事ばかりでなく、直接生の声を聴けるという点では、とても興味深いことですね。

TVが、誰かがそう言っていたから…、ではなくて、きちんと自分の意見を持つようにしたいと思います。

ぜひ、ご家族、親子、大切なお友達と、連れ立ってご参加ください。


■「まあるいち」
~自然、環境、そして子どもたちの未来のことをゆっくりと思う一日~

2014年10月13日(月・祝)10:00~17:00
ワークショップ・フード等は16:00まで

会場:有形文化財古民家 鈴木邸(静岡市葵区中之郷249)

※「100人の母たち」写真展in静岡の最終日です。
写真展は17:00まで開催しています。

<food>
★案山棒(蕎麦・ごはん)★新屋食堂アヤナイ(ごはん)
★Soja(マクロビごはん)★Brown Rice Kitchen(デリ・ごはん)
★KISSACO(甘糀ドリンク)★モミの木(マクロビスイーツ・ドリンク)
★ Lalala♪Planet(自然農野菜の販売)
★まつぼっくり(玄米茶)など

<WORKSHOP・ほか>
★うしおシュタイナーこども園(フェルトクラフト)
★Ms flower Partner (フラワークラフト)
★mominoki (アロマ)
★アイニケ(ジャンベ)
★藤本陽子写真事務所(ワンコインフォト)
★かごやか(手廻しオルガン)
★森とま(積み木1000個)など

<ミニ講演会>
「自然が育む、子どもの心と体」 
 講師 京井麻由さん(森のようちえん・野外保育園ゆたか)
 時間11:00~12:00 定員20名 参加費500円

<ミニライブ>
「丸山研二郎・ミニライブ」 出演 丸山研二郎
 時間16:00~17:00 定員30名 参加費500円

2014年9月9日火曜日

9/9 重陽

忙しい毎日がひと段落して、またいつもの日常が始まりました。

朝仕事に出かけて夕方帰ってくる。そんな日々です。

穏やかなやさしい時間。

でも時々ゴーっと頭の上で飛行機の音が聞こえたりすると、たまらず飛び乗ってどこかへ出かけたいような思いに駆られます。

「分離」してはいけないよ、と僕は教わりました。

生活が分離すれば、心に葛藤が生まれ、苦悩が生まれる…おっとつまらない話はやめましょう。


こないだ飛行機に乗った時、地上は雨模様でした。

着陸態勢に入って高度が段々と下がると、まず分厚い雲の層に突入して、しばらくすると不思議な空間に出ました。

雲と雲に挟まれた、ガランとした巨大な洞窟のような、空の穴でした。

雅楽の思想の中に、地上の音、天空の音、天と地の間を走る竜の音、というのがありましたが、なるほど竜が住むという場所はこんなところだろうかと思ってみたり、

人が死んでしばらくこの世との境目に残るという「中有(うどんの店じゃないよ)」というのはこんなところだろうか、と思ってみたりしました。

何だか十分つまらない話になってしまった。

しばらくはこんな感じかな。

どんな感じよ。

2014年9月8日月曜日

9/6 新世界ワルツ序章


最近まで朴訥に鳴いていたアブラゼミもいつの間にか鳴かなくなって、秋の虫たちが隆盛しました。

蝉たちも土に落ちて、あるものはアリに運ばれたり、あるものは草木が生きるための糧になったりしたでしょう。

息抜きに行った友だちのバーで、南米の旅の話を聴きました。

日本では考えられないとんでもない常識の話。

大きいものから小さいものまでいろいろな世界があるものです。


「新人Hソケリッサ!」というグループも、またそんな当たり前のようで不思議な世界の住人たちです。

東京の路上生活経験者を中心にしたダンスグループ。

この秋、静岡公演が決定して、僕と和楽器奏者・原口朋丈氏がその音楽を担当することになりました。


そして今日東京にて練習が始まりました。

おじさんたちの踊りはみな力強い。

何かがやはり違う。

小手先の技術や、~っぽいよね、というような雰囲気の音では、到底太刀打ちできないと思いました。

僕たちは僕たちのそれぞれ歩んできた道を、音楽に換えていかなくては。


公演は、10/25、26です。

物凄く力のこもった現象を、ぜひ目撃しに来てください。

初めてお話したダンサーの方もいましたが、皆さんとっても気の置けない、いい人たちでありました。


■ソケリッサ!静岡公演「新世界ワルツ」

2014年
10/25(土)19:00~ ※交流会有り
10/26(日)14:00~ ※アフタートーク有り

会場:アトリエみるめ
出演:新人Hソケリッサ!
丸山研二郎(ギタリスト・シンガーソングライター)
原口朋丈(和太鼓・篠笛・津軽三味線)

料金:一般2000円/学生1000円(学割席)

主催:オルタナティブスペース・スノドカフェ
チケット取り扱い:オルタナティブスペース・スノドカフェ 054‐346‐7669
WEB予約:http://www.sndcafe.net/mailform/
アオキカク aokikaku@me.com

9/5 折々


磐田市の茶畑の中に、忽然ときれいな家具屋さんのショールームがあります。

もう3年ほどの付き合いになります「折々(おりおり)」さんでのライブ。

家具という「物」だけでなくて、その場所で行われるいろいろな「事(こと)」も提案したい、という思いから、ショールームを使って、音楽ライブや展示や、教室などを企画しています。

今回は江川野智典さんというグラスアートの作家さんの展示との同時開催でありました。

ライブは満員御礼。

自分なりに反省点は多々ありましたが、気持ちよく演奏を楽しむことが出来ました。

来て下さったお客さん、最近ますます仲良くさせていただいている折々の皆さん、ありがとうございました。


作家の江川野さんは、食器などの制約の中でのガラス制作、オブジェとしてのガラス制作を両方されている方です。

型のあるものを作って、それを破りたくなって、またそれが型になっての繰り返しだという話をしてくれました。

自分のやっている事にもつながっているようで、ふと心をつかまれました。

2014年9月5日金曜日

8/30、31 心が踊るダンスの国会


いやー、踊った躍った。

「ダンス王国Shizuoka 第1回通常国会 Summer Dance Festivel 『心が踊るダンスの国会』」。

長いタイトルですね。

100名超のダンサー・アーティストによる祭典は、ダンス王国Shizuokaの国旗掲揚・国歌斉唱にはじまり、コンテンポラリー、ストリート、民謡など様々なジャンルのダンス公演、ダンス占い、心が踊る写真展など…心が踊る企画満載のイベントになりました。(以上は市民文化会館のwebより抜粋)

僕は、アオキ裕キ氏率いる国立舞踊団公演「どうぶつのじかん」と、ラストの総踊りの前のライブに出演しました。

来て下さったお客様、ありがとうございました。そして関係者の皆さん、長い間の企画・準備、本当にお疲れ様です!



身体で表現することはとにかくダイレクトです。

周りにいる人と、何よりもぐっと心が近くなるのを感じます。

本当に2日間楽しかった。


ダンス王国Shizuoka。

これからはどんな風になっていくかわからないけれど、みんなでもっと有意義な形を探っていけたらいいなと思いました。


基調講演をしてくださった幸福論を研究している方のお話では、施される人よりも施す人の方が幸福をより感じる、芸術も見る人より、作る人の方がより幸福を感じやすいということでした。

実力はともかくとして僕たち何かを作る人間は、それを直感的によーくわかっています。

大事なのは理屈ではなくて、やっぱり体感することです。


ふと、宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」を思い出しました。


 誰人もみな芸術家たる感受をなせ

 個性の優れる方向に於いて各々止むなき表現をなせ

 然もめいめいそのときどきの芸術家である


幸せとは何だろうという僕たちの問いは、やっと大正時代の最先端に追いついた…、といえるでしょうか。

2014年9月3日水曜日

8/24~28 全州韓日交流展 その2


■新萬金~母湾

余暇に、卓さんがドライブに連れて行ってくれました。

見せたい場所がある、というのでどこへ行くのかなと思っていると、車はみるみる海の上を走りはじめました。

大きな湾の端から端をまっすぐ結ぶ、西には韓国で言う西海、東には広い湾を望む海上道路。

つまり湾の入り口が道路でふさがれている形になります。

話を聴いていると、なんとふさいだ40000ヘクタールにも及ぶ湾を段々と埋め立てて商業施設やカジノやゴルフ場を作るのだということ。すでに外海と遮断された湾の中では多くの生き物が死に絶えている。

なんという愚かな所業であろうか。

旅はステキな観光地を見るばかりではない。

西海に静もうとしていた夕日は、美しくもさびしげだった。


新満金(セマングム)と呼ばれるその海上道路を抜けて、しばらく走ると、卓さんが昔からお気に入りだという母湾(モハン)という小さな入り江に出ました。

特に何にもあるわけではない小さなビーチは穏やかで、母の湾という名の通り、なんだかあたたかいものに包まれているような場所でした。

人はなぜカジノやショッピングモールに並んだブランド品や、ゴルフ場がないと楽しめないのか。自分もそんなくだらないものたちを批判しながら、そんなものたちの恩恵を受けている。

全州の町から数時間。

晩御飯のサムギョプサルにたどり着くまでの2つの海を僕は決して忘れないと思います。


■ジョイナス軍団

僕とクロサワと卓さんでギャラリーの裏庭に座ってしゃべっていると、突然けたたましく「アニョハセヨ!」を連呼しながら、同じTシャツを着た変な外国人の集団が入ってきました。

話していると、一緒に写真を撮りたいらしい。

「Hey! Join us! Join us!」と連発するジョイナス軍団の勢いに押されて、僕たちは一緒に写真を撮りました。

聞いてみると何とエジプトから来たらしい皆さん。

写真のお礼にピラミッドとスフィンクスの缶バッジをくれました。

どうやら学生さんのようでしたが、ちょっとだけ展示も見てくれて、ビューティフルと褒めてくれました。

何となくライブへのパワーを貰いました。


■映像楽曲

映像楽曲のパフォーマンスには、初めて歌詞のある歌を差し込んでみました。

言葉のわからない韓国の皆さんにどう伝わるか。

結果、僕たちの映像と音楽は、非常に好評をいただきました。

お世辞かもしれないけれど、パフォーマンスからアーティストトークまで含めて、ほとんどの人が帰らずに残っていたのは珍しい、とギャラリーの方も言ってくださいました。

お客さんからとても高度な質問も出て、クロサワ氏もご満悦であった。

他の人が写真を撮っていたが、貰っていないので載せられないのが残念。


■さらば韓国

滞在中、何人かの人と仲良くなりました。

僕は日本語と、やっとホテルに泊まれる程度の英語ぐらいしか喋れないので、言葉の壁もあったけれど、何やらやっぱり音楽の力はありがたい。

みんなそれぞれ魅力的で、素敵な人たちだった。

またきっと全州のみなさんに会いに行きたいと思います。


今回の展示には、芸術的な交流の他にやはりちょっとだけ人間的な意味も含まれています。

言うまでもなく、隣国である日本と韓国はあんまり仲がよろしくない。

お互いの国の持っている問題を夜な夜な卓さんとも話をしたけれど、そんな僕たちはホントにいい友人同士であります。

来年2月に卓さんは静岡でのアートフェスに展示に来てくれることになりました。

この交流展を途切れることなくお互いの国で続けていけたら、本当に幸せなことだと思いながら、僕は夜の高速道路をソウルまで送ってもらい、韓国を後にしました。

またすぐに行きます!カムサハムニダ~!


映像楽曲の詞を載せてみます。

先日の仙台の子どもたちからもインスピレーションを貰いました。ありがとう。

1

ガラスに映る ビルの光を抜け
さびた空の 涙を受け止め

黒い道は どこまでも続く
旅路 旅路

遥かな 記憶の波に
わけを尋ね 木立は過ぎる

黒い道に 空々しい 花 花 花
花盛り 花盛り

スピードは孤独に揺れる ゆりかご
さびた空は 見たこともない形

黒い道は ミラーの中へ続く
旅路 旅路


2

赤い赤い 赤い炎 おもいでの中の
青い青い 青い空 あの池に映る
わずかな白さが はるかに ポカリと浮かんでいる

涙 涙 とうめいな おもいでの中の
緑 緑 やさしく萌える あの池に映る
わずかな白さは かなたに ポカリと消えていった

2014年9月2日火曜日

8/24~28 全州韓日交流展 その1


思えば前回、韓国の全州(チョンジュ)に映像作家のクロサワと遊びに行ったのは、もう8年も前になります。

「お前ら、8年おきにしか来ないのかよ~。」と大切な韓国の友人、卓瑛桓(タク・ヨンファン)氏は嘆いているので、きっとこれからは1、2年に一回は行きたいと思うのです。


仙台から帰って一日準備をして、東京でクロサワと合流し、朝早い飛行機に乗り込んで昼にはソウル金浦空港に到着しました。

最初は1人で行くつもりだったので、気軽にリムジンバスで全州まで行こ~、と思っていましたが、都合でクロサワと一緒になり、なんとソウルまで車で3時間かけての卓さんのお迎え付きでした。

ありがたいことです。



■食食食

ホテルに荷を置いて、とりあえず展示会場のギャラリーを確認した僕たちを待ち受けていたものは、とにかく食・食・食の報復…じゃないおもてなしでありました。

この5日間で食べたもの、スンドゥブチゲ、カルビタン、ユッケ、クッパ、カルグクス(麺料理)、サムギョプサル、レバ刺し(わーい)、ビビンパ、チヂミ、等など、うまかったなあ。

ある夜は、卓さんの家にお呼ばれして、奥さんが料理してくれた大量のワタリガニ(ケジャン)を頂いた。とにかくひたすらカニカニカニ。多分10匹ぐらいは食べました。

これ本当にうまかったんだ。身も心も満腹。



■映像とは何だろうか

いかん、今回僕たちは遊びに来たわけではない。

韓日交流展「映像とは何だろうか」という企画展をしに来たのであります。

これは日韓の映像作家5人による作品展で、このタイトルは武蔵野美術大学に関係する映像の巨人の言葉だそうです。

僕は、そのギャラリートークにて、友人クロサワ氏の映像作品に生の音をつけた「映像楽曲」というパフォーマンスを披露するため、お招きいただきました。


映像楽曲の今回の内容は、過去に作った「Airial Line」「まだ融け残るパラフィンの霧」「Taxi Way」「xylophone」「静かな光」という5つの作品から映像を抜粋して一つにつなげました。

音楽は半分ほど書き下ろしの曲に挑戦しました。

クロサワ氏は、僕がサウナに入ってぐーすか寝ている最中も、夜なべで作品を構成していました。映像作家は大変だ。

その分音楽家は昼間練習をし、一瞬の輝きに備えて体力を温存…。

韓国の皆さんの反応やいかに、というところです。


■全州韓屋村

ギャラリー「Gyodong ArtStudio(ギョドン・アートスタジオ)」は「韓屋村(ハノク・マゥル)」という、韓国の昔の家が文化財として残っている区画の一角にあります。

今回久しぶりに全州に降り立って、まず目を疑ったのは、韓屋村が一大観光地に変貌していたことでした。

8年前には、こんなところもあるよ、というほどの静かな風情ある佇まいだったものが、都市からやってきた若者で連日ごった返していました。

必ずしも大勢の人に注目されるから文化が残っていくわけではありません。

高い建物は建ててはいけないというようなルールもあるそうで、雰囲気は守られていましたが、卓さんは、ちょっと恥ずかしいと言っていました。

僕は、卓さんのそういう感覚が好きです。

最近韓国では子どもたちにもどんどん習い事をさせて、ソウルを目指し、追いつけ追い越せの教育が主流なのだそうです。

卓さんは、あえて自分の子どものために自然の多い田舎の学校を選んで、習い事はさせずにその分のお金で家族旅行を増やしたり、いろんな文化と触れ合ったりすることを大切にしたいと、サウナで肩を並べた時、語っていました。


これからも全州韓屋村がいい場所であることを願います。


つづく

8/20~22 逢隈小学校サマースクール


仙台~韓国から帰って、ダンス王国の本番も無事終わり、一息ついています。

何から報告しようか…、というところですが、時系列で最初の仙台のお話から。


昨年、ご縁があって参加させてもらった、宮城県は亘理町というところにある逢隈(おおくま)小学校でのサマースクール。これは宇都宮大学(以下・宇大)のとある研究室が主催するイベントです。

今年も、ダンサー・アオキ裕キさんとともにダンスワークショップをするべく、常磐線・逢隈駅に降り立ちました。

学校に着くと、子どもたちは元気な笑顔で出迎えてくれました。

前回に顔なじみになって覚えていてくれた子もいて、「まるけんさん、まるけんさん!」と声をかけてくれて、僕はとてもうれしかった。

(「まるけん」というのは大学時代についたあだ名ですが、全然関係ないところで今だにそう呼ばれているのは不思議なものです。一生付き合っていくような気がする。)


■沿岸部を視察する

今回は、あまり時間がありませんでしたが、宇大の長谷川先生が車で海沿いを少しだけ案内して下さいました。

鳥の海という湾の付近の海岸には、大きな堤防が造られていました。今は穏やかな海に立ち並んでいる巨大な無機質。そのすぐ裏には、建物が残った温泉施設があって、この秋には再開するということ。

僕は、砂浜に降りて海の水に手を浸してみました。

海水はざらざらと砂っぽくて、しばらく手にべたべたと海が残っていました。


■いちごっこ

晩御飯は、震災後の炊き出しから始まったというNPO、カフェレストラン兼交流の場「亘理いちごっこ」に今年もお世話になりました。

去年はプレハブの建物でしたが、今年は改築してきれいなトレーラーハウスになっていました。いろんな場所に出動できるように、との思いも込めているそうですが、まだ動かしたことはないそうです。

もちろん、前向きな出動を願ってやみません。


サマースクールには、僕たちのワークショップの他に、絵画、書道、手編み教室などなどいろんな企画があって、夜な夜な宇大の学生さん達は、スクールの反省点をじっくり話し合っていました。

僕は大学の時、本当に真面目じゃなかった。毎度反省させられます。

(ちょうど仙台にいるころ、宇大の学生のよそのサークル合宿で急性アル中の死者がでたそうです。そのニュースを聴いて少しナーバスになっていた学生さんもいました。真面目な学生さん達に幸多いことを祈ります。)


■ワークショップ

アオキさんのワークショップは、はたから見るととても自由な構造をしているので、僕の演奏が足を引っ張らないかと不安な時もあります。

でも今回は、打ち合わせも入念に出来て、いい感じだったと思います。

今回のテーマは「見たこともない世界」。

音楽を聴いて、それぞれ絵を描いて、そこからイメージするダンスを作りました。

大人でも子供でも、みんなの体の動きを観ていると、それぞれの性格や過ごしてきた日々が見え隠れします。

小学4年生の男の子が、ワークショップの感想を聞かれて「自由になれた気がして、自信がついた。」というようなことを言っていました。

僕たちの一瞬の出会い自体は、彼が大人になれば記憶の彼方に小さくなってしまうものかもしれないけれど、それが心の中で良い“何か”に変身してくれたらいいなと思います。

僕も、導入のストレッチや簡単なゲームに参加していると、子どもたちとも仲良くなった気がして、ふと心が軽くなっていくように感じました。


■自由空間

この逢隈小学校も、自分にとって大切な場所になりました。

イベント自体、助成金によって動いているということなので、今後の展望は分かりませんが、何かの形でずっと続けていきたいということです。

自分の歌や演奏が何かの役に立つのなら、よろこんでまた参加したいと思っています。


今回の音楽。

僕の曲や、カバー曲も使いましたが、今回は面白い試みがありました。

テーマの「見たこともない世界」から想像した子どもたちの言葉をつなげて、1曲即興で歌を作りました。最終日のための曲は、僕とアオキさんとで作詞をして、夜、宿でこそこそと歌をつけました。

大切な子どもたちのための2つの歌です。


じゆうくうかん

作詞:逢隈小の子どもたち + 丸山研二郎

いちごのすきなモグラに 羽が生えた
アシカが空を とんでいる
夜中の学校には おじさんがいっぱい
ほら まほうの世界がやってくる

じゆくうかんはきみのにおい
じゆうくうかんはちょうちょの羽

ぐにゃぐにゃのまちは ロケットになって
お菓子のくるまが とんでいる
なんでもでてくる はんばいき
ほら みんなお菓子にかこまれている

じゆうくうかんはきみのにおい
じゆうくうかんはちょうちょの羽


ゆめいろころころ

作詞:アオキ裕キ + 丸山研二郎

なみだ なみだ あおいそら
ほのお ほのお あかい火だ
みどり みどり やさしくもえる
ごはん ごはん しろいほうせき

ゆめいろ ころころ
めだまも るるる
ひみつの ステップ
パラポラペペーイ

ゆめいろ ころころ
めだまも るるる
山より おもい
ボボボンガボーン