2014年2月22日土曜日

2/22 不易流行

大学時代の恩師である彫刻家、登坂秀雄先生が教授を退任されるので、その最終講義を聴きに行ってきました。

僕もいっちょ前に、自分たちの過ごしてきた月日は何だっただろう、なんて考えるような歳になってしまったのか、不覚にもその講義を聴いて涙してしまいました。

残る側の先生もあいさつの時、涙で声を詰まらせていたので、それに比べれば僕の感慨など小さなものだったでしょう。

東京の下町生まれで、鋭さと、やさしさを併せ持った、本当にみんなから慕われている先生でした。


考えてみれば、大学を卒業してちょうど10年経つのです。

卒業以来の友人や、先輩、後輩もたくさん来ていて嬉しかったのですが、先生も含めて、10年ぶりに会ったのに、まるで何ヶ月か会っていないだけのような気がしました。

それは、何事も斜に構えて情熱を注げなかったように思っていた学生時代が、自分にとって本当に意味のある大切な時間だったのだと改めて感じさせてくれました。

他の先生方も長い時間が経ったにもかかわらず、僕の学生時代のことをよく覚えていてくれて、あたたかく見守られていたのに自分は子供だったなと、恥ずかしくなりました。

どうも僕はそういう時間の後にはナーバスになってしまうのでいけません。


先生の最後のことば。

「不易流行(古いものを守り、新しいものも取り入れてゆくこと)」

「何事も、まわりに流されず自己を通して表現し、絆を大切に」

「万物悉く仏性あり(道元禅師)」

何て月並な言葉だろうと思いました。本当に素晴らしい言葉です。


先生は、これからは作家一筋で活動していくそうです。

静岡市内にも、登坂先生の作品が幾つかあります。

ひとつは静岡のNHKの前、もう一つは清水のさつき通りの分離帯の公園の中、他にもいくつかあります。

ぜひ探してみてください。

2 コメント:

maruyama さんのコメント...

すばらしかです。

まるけん さんのコメント...

Mさん。

すばらしかですね。